【脳情報通信ネットワークの可能性と、フェイスブック社の開発計画】


 人は個として生まれてくると同時に、家族の一員であり、地域の住民であり、同時に(日本)国民でもある。さらにまた地球人類の一人でもある。集合意識には、様々な形態形成場のようなものがあると考えられる。目には見えない伝統のようなものである。日本人なら日本人の伝統文化(集団意識)、会社なら、ソニー、京セラ、、、などの特色、研究開発のポリシーといった感じかもしれない。

 また、集合意識には、さまざまなグループがある。野球、サッカー、バレーボール、ランニングなどのスポーツ仲間、あるいは、音楽、絵画などの趣味仲間、さらには、政治、哲学、宗教のような価値観を共有する仲間、、、といった感じの実にさまざまなグループである。これらは、目に見えないつながりによって結ばれている、と考えられる。

 生き物のネットワーク、たとえば、魚の群れ、鳥の群れ、象、イルカ、ペンギン、、、それらは一種の通信をしている、と考えてもよいのではないか。最近で言えば、象の話題が挙げられる。周知のように、象には牙があるのだが、アフリカなどでは、長年に渡り密漁が発生、その牙に価値を見出し乱穫する者たちが少なくない。

http://news.livedoor.com/article/detail/12405115/

 その結果、最近、アフリカの象には生まれながらに牙のない象が生まれているという。…これは、象のDNAに変化(DNA間通信)が起こり、「牙がないことで生活に不便にはなるが種を守るためには、やむを得ない…」といったささやきが形になってきたともいえるのではないか。時間軸の中で壮大な通信が行われている可能性がある。また発明、発見などでは、同じような発見が一箇所だけでなく、全世界的に行われることが多々ある、という話がある。この場合などは、空間軸の中で、目に見えない通信のようなものがあるのではないだろうか?

 仮説として、ヒトとヒトのコミュニケーションは、さらに深まり、(安全、かつリスク管理が徹底されていることが前提にはなるが) やがては、テレパシー的コミュニケーション、あるいは集合意識にアクセスしてその中の英知を引き出す、といったことも可能になってくるのではないだろうか?このような意味でも、脳同士は、ゆるやかにつながってゆくと考えられる。地球というかけがえのない星に住む人類は、テクノロジーの進化とともに、生命システム、コンピュータネットワークという見方からも、より相互理解と相互尊重の時代に、少しずつ、進んでゆくように見える。

 ところで、フェイスブック社の開発計画によれば、SNSへの投稿について、思っていることを言葉にできるシステムを開発するという。具体的には脳のシグナルを利用したタイピングシステムの開発である。脳からの指令で100語/分(通常のスマートフォンに入力する5倍の速さ)の入力が可能なサイレント音声システムを開発するというもので、着用可能なセンサーでの提供を想定している。

 1996年頃に始まったインターネットの普及(商用化の流れ)は世界的な情報通信の大変革をもたらすこととなったが、2017年の今日では、脳情報コミュニケーションの可能性という新たな世界的潮流がにわかに、始まった感がある。


      『脳波ビジネス、BCIビジネス、市場開発に関する調査』
             http://www.aqu.com/brain-bci/




(調査研究者、2017.5.22)




【名は体を表す、Names and natures do often agree】


 かつて、政府の予算審議において、「2位じゃだめなんですか?」という言葉があり、科学技術の発展の考え方に一石を投じたことがあった。このことは、いろいろ考えさせられることであるが、ビジネス競争の世界に身を置く立場としては、やはりトップを目指す、目標を貫徹するという意気込みは素晴らしいと思う。実は私はある調査会社に入社したとき、同じ日に一緒に面接して、同時期に入社した友人がアメリカ横断ウルトラクイズでグランプリ(1位)を取ったことのある人だった。その番組は、アメリカ大陸を横断してニューヨークを目指すという、「人間の知力」と「体力の限界」と「時の運」を試す超大型のクイズ番組だったが、彼いわく、「クイズ番組が終わっても、電車に乗ると、若い女の子たちにジロジロ見られている気分になってしまったよ」と言って笑いを誘っていた。テレビ番組の担当者は、やはり一番にならないとね、と言っていたという。私流に解釈すれば、大市場でトップになるのはむずかしいが、アプローチを変えて、ニッチ市場でトップになることは大きな価値がある。「鶏口となるも牛後となるなかれ」ということになる。

 普通の人なのに、一皮向けば、すごい人、ということがたまにあったりする。

 最近では、東洋経済の記事(2017年2月18日号)で、有望ベンチャー62社が紹介されていたのだが、なんと、私の友人のひとりがCEOとなっている会社が載っていたので驚いてしまった。かつて私がベンチャー関係のメーリングリストを主宰していたときに知り合ったのだが、一緒に仕事をしたり飲んだこともある人なので、自分のことのようにうれしい。(ビジネスアライアンスの発展に期待したい。。)

 さて、仕事をしていて、最近不思議なことを経験した。ある大手企業に行き、担当者とその上司の人にプレゼンをしたのだが、ふたりとも、「山」のつく苗字であることに気づいた。名刺を見て、おもしろいなぁ、と感じていたのだが、その後、別件で、ある会社の山○さんという人より、○山さんという人を紹介されたり、ということがあり、何かと山という字が多いのに気づいた。いつもは、苗字について、それほど意識していないにも関わらず、いったいこれはどういうことだ?と自分ながら、考えてみたのである。名は体を表す、Names and natures do often agree.(名前と性質とはしばしば一致する)というけれど、同じような字や、言葉の響きが一致していると、潜在意識で安心感を感じているのかもしれない。たとえば、私の中学時代の親しい友人は、○田○久という。そのお相手は○田久○で、当時、ちょっと似ていると笑いながら話していた記憶がある。このように考えてくると、企業提携なども企業名やコンセプトが響きの合うもの同士がよい(お互いに安心感が持てる)といえるかもしれない。かつて、国際的企業提携の仲人を私が横浜でさせてもらったことがあり、このときは、両企業のトップを交えて食事会をした。そのとき、トップの名前の文字を合わせると、「龍宮」となったので不思議だな、と感じたことがある。最近でも、企業提携のちょっとしたお手伝いをしているが、先進性、フロンティアという意味で両社の共通点を感じたしだいである。

 最近つくづく感じるのは世の中のスピードの速さである。とりわけAI、IoT関連のビジネス進化はすさまじい。機械学習、教師あり学習、教師なし学習、報酬といったAI関連の技術、特許等を調べてゆくと、AIソフトが自動的に学習をしていく、ということにより、例えば、囲碁、将棋における人間とAIの対戦に見られるように、AIが人間の力を凌駕するようなことが起こってきている。これからはAIビジネスをモノにできるかが勝負どころだろう。また、何もAIという話題にとどまらず、宇宙的大きな発想、価値観、量子学的意識、といったところに着眼し、それらを自らの変革に応用するとき(成功のための、よりよい意識改革)、その人(企業)の人生、運命は一気に好転するだろう。ただし、行く手をさえぎる壁も時々あらわれるのが世の常。好調なときこそ慎重に、ときどき原点に立ち返る勇気も大切だろう。




(調査研究者、2017.5.21)




【回転寿司に見る、素晴らしい食文化、日本 !】


 回転寿司をときどき、利用させてもらっているが、いろいろ気づきがあったので書いてみたいと思う。回転寿司の業界では、くら寿司、元気寿司、かっぱ寿司、スシローの4強(四天王)がしのぎを削っており、サービス面の味やメニューもさることながら、IT、ロボットなどの活用が進みつつある。

 新鮮な食材を楽しめるとともに、随所に工夫がこらされ、さすが、食文化日本! と感じずにはいられない。回転寿司は、海外にも人気で東南アジアや米国、ヨーロッパなどにも進出しつつある。かつて、黎明期のことだがカラオケ、通信カラオケといったテーマをリサーチしたことがあって、当時は海外にも需要があるのでは、と感じていたのが、実際的に海外でのカラオケ普及を知ると、あらためて日本文化のユニークさ、発想の豊かさを実感する。

 さて回転寿司に話を戻すと、地理的な関係もあり、注文を「新幹線」で届けてくれることを筆者は面白いと親しんでいた、かっぱ寿司は、いつしか、トップから脱落、という。そこで調べてみると、人気店のひとつ、くら寿司は、無添加を掲げて、味もおいしい、という噂を聞きつけたので、くら寿司に行くことにした。くら寿司にはアプリを使って予約。家族ずれ、高校生など、客層はどこも同じ感じだが、まず、驚いたのは、キャップの「鮮度くん」である。なんと、寿司を衛生的にするキャップが一つ一つかぶされている。入店でまず最初にキャップのはずし方を教えてもらうことに。。いろいろ注文しているうちに、生ビールの自動販売機を見つけてオーダー。ジョッキを置くと自動で傾きを変えて最後に沫も入れてくれる。実はこの自動化も驚いた。調べてゆくと、握りロボットが利用されており、ロボットなどの機械化が食文化を支えているのだな、と実感したしだいである。

 くら寿司の場合、シャリカレー、濃厚味噌ラーメンなどのサイドメニューも充実している。味もよい。ただ、最近の連結決算発表では、売上高7.3%増の301億円、営業利益23.1%減の14億円(前年は18億円)となっている。新規出店の増加、販促費の増加、人件費の増加などが利益減の要因として挙げられており、味、メニューに加え、ハイテク化などにも工夫をし続ける、という姿勢が求められているようだ。

 ハイテク化という視点では、海外では、「日本は次元が違う」と 日本の回転寿司のハイテク化に感嘆の声があがっている。実際、根幹部分であるベルトコンベアの機能性、機械により自動で握られるシャリ、個別に注文出来るシステム、お皿の洗浄システム、人気商品の自動データ収集など、きめこまかな仕組みは日本人の感性ならではのものかもしれない。ちなみに、シャリに空気を均一に含ませ、ふわりと口どけの良いシャリ玉を握る、という寿司ロボットは、外食機械メーカーの鈴茂器工がトップシェアを握っている(6割超)。また、ヘッドホンやワイヤレスマイクで有名なオーディオテクニカも寿司ロボットに参入している。また、はま寿司では、ソフトバンクのペッパーくんを案内係り(見習い中)として実験導入して、空席、満席に対応、ロボットとの共進化の流れが見えてきている。

 なお、回転寿司「あきんどスシロー」を展開するスシローグローバルホールディングスが、2017年3月に東証に再上場。経済界でも回転寿司業界に対する視線は熱い。

 参考までに、2015年度(2015年4月〜2016年3月)の回転寿司企業ランキング(フードビジネス)では、以下のようになっている。

●売上高ランキング

【1位】あきんどスシロー:136,200 百万円(15年9月期・連結)
【2位】くらコーポレーション:105,306 百万円(15年10月期・連結)
【3位】はま寿司:101,034 百万円(16年3月期)
【4位】カッパ・クリエイト:80,320 百万円(16年3月期・連結)
【5位】元気寿司:32,318 百万円(16年3月期・連結)

※カッパ・クリエイトは「デリカ事業」を除く「回転寿司事業」のみだと69,397百万円。

●店舗数ランキング

【1位】はま寿司:433店舗(16年3月末)
【2位】あきんどスシロー:415店舗(15年9月末)
【3位】くらコーポレーション:375店舗(15年10月末)
【4位】カッパ・クリエイト:346店舗(16年3月末)
【5位】元気寿司:280店舗(16年3月期末)


Japanese conveyor belt technology and efficiency (参考映像)
https://www.youtube.com/watch?v=phIDNo4Vjkw




(調査研究者、2017.3.26)




【大局をとらえた企画構想力、自然の生命システムに学ぶ】


 新年明けましておめでとうございます。

 【大局をとらえた企画構想力、自然の生命システムに学ぶ】

 2016年は、今後世界的大転換を予感させる、うねりのような年であったと思われる。

さて、2017年の主な出来事としては、主観を入れて挙げさせていただくと、以下のようなものがある。

1月 トランプ米大統領就任(20日)
2月 プレミアムフライデー実施
3月 米国債務上限期限到来、オランダ総選挙、任天堂・新型ゲーム機発売、第4回WBC開催(7日〜23日)
   千葉県浦安市の舞浜駅北口に長崎ハウステンボスで人気の「変なホテル」2号棟がオープン
4月 銀座に最大規模の複合商業施設・GINZA SIX(ギンザシックス)OPEN、仏大統領選(30日、5月7日)
7月 仮想通貨消費税なしへ、東京都議選
8月 世界陸上が英国ロンドンで開幕、映画「スパイダーマンホームカミング」が公開、皆既日食(北米大陸)
11月 JAXA宇宙航空研究開発機構の宇宙飛行士 金井さんが国際宇宙ステーション(ISS)に6ヶ月間滞在
12月 映画「スターウォーズ エピソード8」公開
9月〜12月  ドイツ連邦議会選挙、中国共産党全国代表大会、韓国大統領選など

2017年は日本経済、世界経済にとって、より安定成長に向かってゆく年であることを願っている。

ところで、昨年末はいろいろ気づきがあったので、まとめてみたい。

【狙った遺伝子をスイッチオンにする】

 自分の好きな音楽やリズムは、沈んだ気分を明るくさせてくれる。…これは誰でも体験することである。音楽配信サービスはすでにあるが、脳の健康や、狙った遺伝子をスイッチオンにする、というようなサービスが将来的に誕生するのではないか?そうしたサービスの裏づけに成り得る、ひとつの実験結果が出てきている。これは、ヘルシンキ大学の実験で、48人に被験者にモーツァルトの『ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216』を20分ほど聞いてもらい、全員の血液サンプルをとったところ、シナプスの神経伝達スピードとドーパミンの分泌をコントロールする遺伝子が活性化(スイッチオン)したことが分かった。たた内容的には、サービスの根拠になるには、データが乏しいといえるので、今後同種の実験が期待されるが、音楽が遺伝子に影響を与える、ということが実験で確かめられたことは興味深い。遺伝子のスイッチオン、という表現ではないが、脳を元気にさせる、環境音楽配信サービスの可能性はあると考えられる。すでに、USENなどは企業向けの音楽配信をしているが、そうしたサービスの中で、ソルフェジオ周波数(2015年のレコード大賞企画賞受賞)を取り入れるなどの工夫も大切だろう。

 さて従来、特定の遺伝子のみのスイッチを効率的にオンにすること(DNA脱メチル化)はできなかった。遺伝子のスイッチをオンにする従来の薬は、すべての遺伝子のスイッチ全部をオンにするものであり、オンになっては困る遺伝子までオンにしてしまうことによってひきおこされる副作用などの危険性があった。しかし、日本の研究機関(群馬大学など)が、CRISPR/Casゲノム編集を応用し、ねらった遺伝子のみのスイッチを効率的にオンにする技術を開発した。この技術は遺伝子のスイッチ異常により起こる疾患の治療、再生医療に利用可能である。なお、がんの増殖を抑える遺伝子のスイッチがオフになることで正常な細胞ががん細胞に変化することや、iPS細胞の作製過程では特定の遺伝子(Oct-4)のスイッチをオンにする必要があることが知られている。

 IT、AIなどの先端テクノロジーは今後の研究開発において、上記のような遺伝子、DNAなどの生命科学分野と連携させることで、さらに大きな発展がなされるものと考えている。

前年も書かせていただいたのだが、

『「企業2020」の世界―未来をつくるリーダーシップ―』の著者、パヴァン・スクデフ氏は、「新しいリーダーは、2020年の世界経済を考えた企業を作らなければならない。新しい企業のDNAは地球の環境を守り、社会の目標をともに達成するものでなければならない。新しい資本主義は、自然資本を中心とするものになるだろう。」としている。

研究開発は、今後も自然の生命システムに学ぶことで、より斬新な発想による製品サービスが実現できるように思う。
企業機関の、最先端にいる研究開発者たちの今後の活躍に期待したい。

貴社、皆様のより一層のご発展を祈念申し上げます。
本年もよろしくお願い申し上げます。



(調査研究者、2017.1.3)





【瀬島龍三さんに想う 時空を超越した臨場感について】


「悲観的に準備をし、楽観的に対処する」・・・これは、瀬島龍三が、かつて、フジテレビ『日本の証言―新・平成日本のよふけスペシャル』で、シベリア抑留が決定的になったときの気持ちを述べていたときの言葉である。こうした話を聞きながら、臨場感のある日本史を感じたしだいである。氏は、陸軍士官学校を主席で卒業したこともあってか、戦後の人生も調査、作戦思考を心に秘めた生き方をされたようだ。戦中は大本営の作戦参謀を務め、シベリア抑留11年、帰還後は、伊藤忠商事の企業参謀、さらには中曽根行革で政治参謀として活躍してきた。氏を主人公にしたともいわれる、『不毛地帯』(山崎豊子の小説)は、フジテレビの50周年記念ドラマで、主人公を唐沢寿明が見事に演じており、共感する部分が少なくなかった。大きな難題に直面したとき、「もし自分だったら、どう判断したか」、と自問しながら見ていたが、氏の著作等を合わせて読み進めてゆくにつれ、私の知らなかった昭和の歴史の核心部分が理解できたように思った。氏は惜しくも95歳で他界された。


瀬島龍三は五つの人生、すなわち、軍人としての道、大本営勤務、11年間のシベリア抑留、企業参謀(伊藤忠商事)、行政改革・教育臨調という五つの人生の結論として、『瀬島龍三回想録 幾山河』を著し、その締めくくりとして、次のように述べている。


 五つの人生を通じての私の結論は、「我が日本は本当によい国である」ということである。残念ながら私は二十一世紀の日本をこの目で十分に見ることはできないであろうが、こいねがわくは国運にかかわる政治の衝に当たる方々、行政の衝に当たる方々、そして一般の国民・市民の方々も、さらに我々の子供や孫たちも、皆さんこの比類のないよい日本を大事にして、世界から信頼され、尊敬される国家として、また、活力のある福祉国家として永久に栄えていってほしいと心から念願したい。  『瀬島龍三回想録 幾山河』 (産経新聞出版)


私の20代の頃だが、東洋哲学の安岡正篤の弟子、伊藤肇が著した『人間的魅力の研究』(日本経済新聞社)を読んだことがある。この中には、西郷隆盛、良寛、石坂泰三、土光敏夫、鮎川義介などが書かれているが、中でも一番興味を持ったのは、瀬島龍三だった。

私の記憶に間違いがなければ、瀬島さんは、終戦の知らせを伝えに満州に出かけ、帰りの便の飛行機の座席を、自身の代わりに、事故にあった負傷兵に譲り、自らは満州にとどまり、11年のシベリア抑留を経験した。とくに七ヶ月の独房生活は周囲から、もの音ひとつ聞こえず、発狂しそうになったという。あるとき、看守の目を盗んで小さな石のかけらを拾い、灰色の壁に観音像を刻みつけ、観音経を唱え続けたという。実は母親から、「龍三や、苦しくて、苦しくて仕様がなかったら、観世音菩薩の御名を一生懸命に唱えなさい。観音経はきっと、それをききとどけられて、救って下さるのです」といい聞かされ、いつしか、仏壇の前で観音経をあげる習慣となっていた。「人に説明しても、わかってもらえないと思うが、発狂しないで、こうして帰ってこられたのは、観音経のおかげです」と告白している。

私は、かつて終戦時、ソ連の捕虜になり、水牢攻めに遭いながらも、一ヶ月耐えた笹目仙人(笹目恒雄、さんま・たけしの日本偉人伝説100人に登場)に会いに、友人と一緒に御岳山に行ったことがあった。極限を乗り越えた人物に会って直接、話しを聞きたかったからである。瀬島さんにも一度会いたい・・・そこで手紙を送ったことがあった。当時は、直筆のおはがきをいただいた。時は前後するが、中曽根康弘が総理大臣に就任したとき、当時日韓の外交は大きく閉ざされており(残念ながら、現在も厳しい状況のようだが)、韓国との関係の正常化を目指し、中曽根首相は、最初の訪問を韓国にすると決意した。その下準備(事前の交渉と調整)を瀬島さんが陸軍時代の人脈を生かし見事にその任を果たしたのである。私の大学時代の親しかった九州の友人(現在、教授)は、なんと、当時、中曽根首相などの日韓首脳外交の通訳をしていた、ということだった。ちょっとしたことではあるが、眼に見えないところでつながっているのだと不思議なものを感じたしだいである。


土光さんとともに委員として働いた行革9年の総括の中で、瀬島さんは、

「国家は今何をなすべかを大局的に捕捉してテーマを選択することと、そのテーマに基づく改革方策が着実かつ現実的なことである。いわゆる「着眼大局、着手小局」の原則であるべきと思う。」

と述べている。この「着眼大局、着手小局」は私の好きな言葉でもある。

瀬島さんは、伊藤忠を離れても亜細亜大学理事長、総理府臨時教育審議会委員、稲盛財団会長、NTT取締役相談役、総理府臨時行政改革推進審議会会長代理、日本美術協会会長、東京商工会議所顧問、太平洋戦争戦没者慰霊協会会長、特攻隊戦没者慰霊平和祈念協会会長、日本文化藝術財団名誉会長などの要職をつとめた。

瀬島さんについては、いろいろな評価があるが、『瀬島龍三回想録 幾山河』の中では、五つの人生について反省を含め、詳細な記述をされており、少なくとも、大変貴重な資料を後世に残されたのではないかと思う。

私は、最近、オバマ大統領の広島訪問が実現し、何かと原爆や戦争の意味をもう一度問い直すことがあり、映画 『終戦のエンペラー』、『日本のいちばん長い日』、『杉原千畝 スギハラチウネ』、『フジテレビ開局50周年記念ドラマ 不毛地帯』などの映像を視たり、『瀬島龍三回想録 幾山河』、『瀬島龍三 日本の証言』などの本を読んでみた。そこで得たひとつの発見は臨場感ということである。瀬島さんの話には臨場感がある。そして、天皇陛下とマッカーサーの会見の映像シーンは、今さらながら日本の歴史的シーンとして映像の持つ臨場感を感じたしだいである。

時空とは何か?

(科学的哲学的に考えれば、高次元からとらえなおせば。。中今という言葉もあったりするが。。)

本質的には、過去も未来もないのではないだろうか?

そのように考えれば意識は、過去にも未来にも飛んで行ける。

一人称視点の映像技術、VR技術等の活用により、

私たちはドラマの中で瀬島さんにもなれる、さまざまな映画の主役になれる、あるいは小説の中の主人公になれる。時間、空間を超越して、歴史の中の主人公にもなれる。素晴らしいことだ。

そんな折り、私は、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を使った、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)のリサーチを行ってきた。実は、臨場感のあるVR映画など、新しい技術の応用分野が大きく開けてきた。こうした技術が社会のさまざまな分野で活用され、ひいては人類の意識改革、世界平和の創造にも大きく貢献できることを願っている。


よもの海 みなはらからと 思ふ世に
など波風の たちさわぐらむ  (明治天皇御製)



(調査研究者、2016.6.17)





【大局をとらえた企画構想力】

 2016年における社会の主な出来事としては、電力の小売自由化(4月)、G8サミット(伊勢志摩サミット、5月)、参議院議員選挙(18歳以上が投票できる、7月)、夏季オリンピック(リオデジャネイロ、8月)、アメリカ合衆国大統領選挙(11月)などが予定されている。とくに、本年は4年に一度の夏季オリンピック(五輪)と米大統領選が重なっており、そのような年の経済は強い傾向があるという。ただし今年は世界的な原油需給動向、為替動向等の波乱要因もあるので、ビジネスの環境変動には特に注意されたい。

 ところで、2016年度は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催、GDP 600兆円(政府のビジョン)、世界貿易促進等へ向けた大きな流れの中で、主要企業の経営者は、GDP(国内総生産)の伸び率を1.5%程度と見込んでおり、「緩やかな回復軌道に戻る」と見ている。経営戦略のキーワードは、変化、速さ、実行力であり、大局をとらえた企画構想力、また市場動向の動きを踏まえた企画構想力が問われると考えられる。

経団連は、日本再興に向けて 2030 年までに目指すべき国家像やその実現に向けた課題等を示しているが、科学技術イノベーション政策の今後の方向についても、同ビジョンのなかで言及している。目指すべき国家像としては、

@豊かで活力ある国民生活を実現する
A人口 1 億人を維持し、魅力ある都市・地域を形成する
B成長国家としての強い基盤を確立する
C地球規模の課題を解決し世界の繁栄に貢献する

というものであり、その実現の鍵は、イノベーションとグローバリゼーションであるとしている。(これは共感できる。)

そして、取り組むべき課題の中で、新たな基幹産業の育成があり、IoT、人工知能、ロボット、バイオテクノロジー、スマートシティ、海洋資源開発、航空・宇宙などが挙げられている。

日本企業はこうした分野で、世界の平和と発展、人類の幸福に寄与する先端テクノロジーを開発してもらいたい。世界情勢は難民問題、テロ、人種差別、地球環境問題等難しい課題が多いが、平和と和を尊ぶ心のある日本こそ、その解決に大いなる力を発揮できるのではないだろうか。

『「企業2020」の世界―未来をつくるリーダーシップ―』の著者、パヴァン・スクデフ氏は、「新しいリーダーは、2020年の世界経済を考えた企業を作らなければならない。新しい企業のDNAは地球の環境を守り、社会の目標をともに達成するものでなければならない。新しい資本主義は、自然資本を中心とするものになるだろう。」としている。企業が地球、社会とともにあることを基本に発展してもらいたい。

さて弊社の調査研究ですが、「この度は密度の濃い調査報告書をありがとうございました。」と昨年、感謝のお言葉をいただきました。ささやかながら、今後も鋭意努力し、皆様の研究開発、事業開発に貢献できましたら、と思っております。

貴社、皆様のより一層のご発展を祈念申し上げます。
本年もよろしくお願い申し上げます。




(調査研究者、2016.1.2)





【 大ピンチを救う者、そしてその哲学】

  経営の大ピンチを救う者には、どのような人物がいるか、そしてその哲学とは?最近の事象の中で、気づきを与えてくれた2人の人物について、取り上げてみたいと思う。

 たまたま日経新聞の私の履歴書を読んでいたところ、「川村隆 現役復帰 「日立社長」突然の打診 傾いた巨艦立て直しに挑む」が目にとまった。ご存知のように、2008年にリーマン・ショック(リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけとして、続発的に世界的金融危機が発生)が起こり、経済環境は世界的に一気に厳しくなり、当時の麻生首相をして、「100年に一回あるかないかの未曾有の経済危機」といわしめるほどの状況となっていた。電機などの大手企業は軒並み大赤字を余儀なくされてしまったことは、よく知られるところだが、日立製作所、日立グループも御多分に洩れず、深刻な経営危機に陥っていた。同社の同年度は7千億円を超える巨額の最終赤字を計上していた。これをたてなおすのは、容易なことではない。川村氏は、当時、日立マクセルの会長で、年齢的にも、そろそろ引退、と考えていたところ、日立本社の次期社長にとお声がかかったのだ。そして、受け入れの決断に影響を与えた、ある体験があった。

 その体験とは? 3月にドイツの格安航空会社ジャーマンウイングス9525便がフランスのアルプス山中に墜落したが、まさに、これを想起させる体験があったのである。川村氏は、1999年7月23日に起きた羽田発札幌行きの全日空機がハイジャックされる事件に巻き込まれ、危機一髪だった。当時のニュースを確認したところ、機長はハイジャックされ犯人ともみ合う中で命を奪われてしまった(殉職された)。機体は急降下を始め、地面がぐんぐん目の前に迫り、多くの乗客が死を覚悟したという。その窮地を救ってくれたのは、たまたまその便に乗っていた千歳出発便の乗務のためデッドヘッド(非番)のパイロットのY氏だったという。文字どおり、墜落寸前の段階で、Y氏らがコックピットのドアを蹴破り、犯人を取り押さえ、何とか機体を立て直したという。まさに九死に一生を得たという体験をしていたのだった。

 その後、川村氏は日立再建に力を発揮し、それから6年、日立は最高益を更新するほどになった。既述のように、同乗していたハイジャック事件で非番のパイロットが操縦桿を握り飛行機を立て直したように、川村氏もまた、大ピンチの日立を立て直したのである。運命の不思議なめぐり合わせ、としかいいようがない。そして川村氏にはスティーブ・ジョブズのようなカリスマ性はなかったのであるが、ただ、日立工場に勤務していたときの工場長W氏の言葉が強く印象に残っているという。それは、「万一、工場が沈みそうになった時には、君たちは先に逃げろ、オレは最後まで残って責任をとる」、ザ・ラストマンたれということを部下に言い聞かせていたというのだ。船が沈むとき、船長が我先に、といった事件が某国ではあったが、川村氏の言葉には、やはり、日本人ならではのサムライ精神を感じずにはいられない。

 さて、飛行機にも関連するが、もうひとり忘れられない人物がいる。

 京セラの稲盛和夫氏である。2010年1月19日、1兆円近くの債務超過状態に陥った日本航空(JAL)は会社更生法を申請。2月1日、同氏は日本航空の会長に就任して日本航空の再建に尽力した。稲盛氏も会長就任の話があったときには高齢で、いったんは断ったものの、結局、日本航空の再建の陣頭に立つことになった。最初の頃は、ほとんどの社員が責任を感じることなく、被害者意識のようなものを持っていた。無駄な出費を切り詰めるなどの話や、心のあり方が大事だ、といった話をしても、長年にわたった官僚的な仕事習慣もあってか、幹部社員たちは真剣に立ち向かう様子が見られなかったという。しかし氏の哲学が、少しずつ理解されてゆき、そしてついに、2012年9月19日に史上最速で再上場。日本航空は再建を果たし経営が立ち直ったのである。

 京セラで成功し、かつまた墜落寸前の日本航空を立ち直らせた稲盛氏の、その根底にある哲学とは何か?私は以前より、うすうす、知ってはいたのだが、あらためて、その根幹に触れた思いがした。鹿児島に生まれ育った氏は、若いときの病気体験をきっかけに、精神世界の本を読むようになり、やがては、東郷平八郎、山本五十六、松下幸之助なども信奉していた中村天風、あるいは、安岡正篤といった哲学者の影響を受けるようになった。

 かくして、無給で働き続ける稲盛氏の言葉は、しだいに、日本航空の社員に理解されていった。同氏は、中村天風氏の次の言葉を日本航空の社員に訴えたという。

 『新しき計画の成就は、只、不撓不屈(ふとうふくつ)の一心にあり、さらばひたむきに、只想え、貴高く強く、一筋に』

 これは、すなわち、新しい計画や目標が成就するかどうかは不撓不屈の一心、つまるところ、どんなことがあろうとも決して挫(くじ)けない心にある。ならば、常にそれを自分自身に言い聞かせよ。貴高い理想と高邁(こうまい)なビジョンを、強烈に心に描き続けよ。・・・ということである。

 どんな苦労があろうとも、どんな困難に直面しようとも、全員の力でこれを乗り越え、必ず日本航空を再建しよう、と訴えたのである。日本航空は、単なる会社ではなく、日本の空ならびに世界の空をかけめぐる、いわば日本企業の象徴的な会社でもある。その再建の成否は日本経済の復活にもつながっていた。その意味でも重要なミッションだったといえるだろう。

 また社員に対しては、『常に明るく前向きに。そして、仕事は楽しく』と話している。すなわち、「仕事を好きになる努力をすること。好きになる努力とは、今日よりは明日、明日よりは明後日と、次から次へと創意工夫を重ねていくこと。創意工夫で成果があがれば、人間というのはおもしろいもので、楽しくなってきます。」とも言っている。・・・なるほどである。(^^)

 あらためて尊敬すべき明治、先哲たちの本を読み、哲学に触れ、未来への糧にしてゆきたい、と思うしだいである。



(調査研究者、2015.5.5)





【 加速するイノベーションと大胆な発想、着眼大局・着手小局!】

2015年はイノベーションが加速し、生活やビジネスの領域において、新技術、新サービスが大いに注目されることになりそうだ。燃料電池車、リニア新幹線、IoT(モノのインターネット、Internet of Things)、小型無人飛行機(ドローン)、シェアリングエコノミーなどである。たとえば、IoTでは、センサーが集めた大量の情報、ビッグデータを価値ある知恵、情報に変換させることができる。ドローンはグーグルやアマゾンなどが注力しており、商品の配送や農業、警備などといった用途が期待されている。ウェアラブルデバイスも時計型、メガネ型などが身近になってくることで、ビジネスチャンスが広がりそうだ。

日経元旦二部のトップ記事では、360度撮影できるカメラ付きヘッドギアを装着した人の視点をHMD端末(オキュラス)で体感できる、といった開発状況を写真入りで紹介しており、リアル(現実)とバーチャル(仮想)の融合、ボーダレス化が進むとみている。

折から昨年刊行した弊社の臨場感HMDの調査報告書は静かながらも、好評を博しており、メーカー関係のほか、大手証券会社なども採用、有望市場であることをあらためて感じさせてくれる。

ところで、2015年は 乙未(きのと・ひつじ)の年であるが、皆様におかれては激動する政治経済の変動に左右されず、自社の社会的ミッションを自覚して、着実に事業推進、成長できる、きめ細かい成功へのビジネスシステムを構築、推進してもらいたいと思う。

ここで、マクロ経済について過去7年程度を振り返ってみると、近年はリーマンショック、東日本大震災、ユーロ圏経済危機などの大きな出来事が立て続けに起こっており、企業の経済活動を取り巻く環境は厳しい状況がしばらく続いた。その後、アベノミクスや日銀による大胆な金融政策などに期待が寄せられ、円安株高の流れが強まってきた。大手企業における、2014年度の3月決算(東証一部)は、純利益13%増、15年度は14%増が予想されており、今後もエンドユーザーのQOL(生活の質)の向上などを意識しながら、より社会に寄与する未来市場であるロボット、ウェアラブル、脳科学、クラウド、人工知能、ヘルスケアなどの有望市場に、積極的にチャレンジしてもらいたいと思う。

日本経済の活力を取り戻すカギはイノベーションの加速である。研究開発、事業開発を推進する関係各位のミッションに敬意を表するとともに期待したいと思う。

最近の映画 『インターステラー』、『べイマックス』などでは、SF、冒険ロマンといった内容でありながら、科学の最先端のシーンがさりげなく描写されており、ビジネス発想の点からも参考になる。つまるところ、大胆な発想、着眼大局・着手小局とでもいえる視点を大切にしてゆきたいと考えるしだいである。また、「新しい酒は新しい革袋に盛れ」というように、新しい年は、新しい環境で気持ちを新たにして邁進したいものである。

(弊社オフィスも同じビルながら移転(所在地表示は同じです)して、より視界の広がる環境となったため、ますます気合を入れてゆきたいと考えています。。)


貴社、皆様のより一層のご発展を祈念申し上げます。
本年もよろしくお願い申し上げます。



(調査研究者、2015.1.1)





【 バーチャルリアリティ新時代の到来 !】

先日、デパートで行われていた臨場感HMD(オキュラスリフト)を体験してきた。ドラえもんの未来タイムマシーンというべきもので、ほんの数分だったが、子供たちに夢を与える内容でたいへん面白かった。オキュラスリフトの登場をきっかけとして、バーチャルリアリティ・ビジネス周辺はにわかに活気づいてきた。ドラえもんならぬ、あの、ホリエモンなども関心を示している。2000年以前にバーチャルリアリティをテーマに調査研究したことがあったが、今まさに本格的機器が身近になろうとしており、ビジネスとしての可能性を大いに感じた。

バーチャルリアリティといえば、かつて、セカンドライフというVRの世界が大いに話題になったことがあったが、ビジネスとしては低迷、その後、しだいに話題にされなくなってしまった。その要因の一つとしてではあるが、操作性などの問題のほか、日本人(女性)が気軽に参加しづらいコンテンツが多かった点なども一因のようだ(※)。かつて、2000年以前のインターネット黎明期において、インターネットの市場を広げるために、女性層の参加がぜひとも必要と考え、さまざまなアイデアが出されたことがあった。(ちなみに当時としては、女性に人気のキムタクがテレビドラマでインターネットを利用しているシーンなどが描かれ、女性層に対してインターネットへの関心を自然に持たせようとした。)  (※現在のセカンドライフは、オキュラスリフトとの連動が可能となり、海外では再び関心が高まりつつあるようだ)

これからのバーチャルリアリティ・ビジネスは、CGだけでなく、360度視界の広がった実写コンテンツが加わりつつあり、遠隔地に行った気分になったり、ライブなどの臨場感、過去や未来にも簡単に行った気分にもなれる。この意味ではゲームやエンターテイメントだけでなく、教育やコミュニケーション、医療などにも大きく広がってゆく可能性がある。

コンテンツ、アプリ開発では、一般向けでは女性や子供たち、あるいは高齢者も楽しめるものが多く出てくることが期待される。その意味でも先に挙げた「ドラえもんの未来タイムマシーン」は自然に、子供たちに最先端のバーチャルリアリティの素晴らしさを感じてもらえたようで、バーチャルリアリティ・ビジネスの未来の可能性を強く感じさせるものがあった。


(調査研究者、2014.11.27)





【 ウェアラブルデバイス for アルツハイマー、認知症】

 IT産業に携わるものとして、先端テクノロジーを通して、世界の平和や人類の平和に大きく寄与できるとすれば、この上ない使命感につながるだろう。

 周知のように、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツはパソコンのビジネスを成功させ、巨大な富を得たが、何と、第二の人生は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団を通じて巨額の寄付をすることで、世界における病気・貧困に挑戦し、慈善事業を行っている(→ 実際の評価はいろいろあるようだが…)。アフリカなどの子供たちにワクチンを提供、最近では、エボラ出血熱対策を支援している。

 ところで最近では、アイスバケツチャレンジという、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病支援の運動が話題となり、お気の毒な患者やその家族に、ささやかではあるが、応援の輪が広がった(ちなみに、筆者はアイスバケツチャレンジ以前にALSに寄付をさせていただいたことがあり、身近なテーマと感じていた)。

 しかしながら、世界中を見渡してみると、人体の病気に関しては、ある意味、もっと大きなテーマがある。それはアルツハイマーではないだろうか? この病気は、認知症とも関係しており、4人に1人が65歳以上という、超高齢化社会を迎えている日本だけでも、100万人規模の患者がいるといわれ、それを支える家族、あるいは病院施設等ははかりしれないご苦労があるとみられる。

 国際アルツハイマー病協会によれば、「全世界で60歳以上の人の13%は介護が必要。2010年から2050年までの間、介護が必要な全高齢者数は1億100万人から2億7700万人へほぼ3倍増加する。介護は専ら認知症の人への介護であり、個人的介護が必要な全高齢者の約半数は認知症である。介護施設にいる高齢者の80%は認知症である。全世界で認知症介護の費用は、現在6000億ドル以上であり、全世界の国内総生産GDPの約1%にあたる。」としており、人類社会全体にとって、大きな課題ともいえるだろう。

 筆者はこれまで、ウェアラブル・ビジネスの可能性を研究してきたが、ここにきて、「アルツハイマー患者が頭に装着するウェアラブルデバイスが研究されており、微弱な電気信号を流して、脳の特定部位を刺激することで、従来の投薬治療より20〜30%も効果が高い」という、注目すべき情報を得た。

 まだ研究段階であり、いわゆる副作用等のマイナス部分も考慮に入れなければならならず、手放しでは喜べない状況ではある。しかし、ウェアラブルデバイスを活用して、目にみえる形で大きく人類の未来に貢献できる可能性がある、ということは、少なくともチャレンジに価するテーマといえるだろう。

 将来的には、HMDとの連携や、脳波センサーなどとの連携も想定される。ヘルスケア業界にも大きなインパクトを与えることだろう。



(調査研究者、2014.10.14)





【 人工知能とロボット、そして人類の進化】

人工知能、ロボットをテーマとするSF映画はこれまでも、アイ,ロボット、A.I. 、ロボコップなどがあり、映画ファンを楽しませてくれている。

本年6月に国内公開される映画『トランセンデンス』 http://transcendence.jp/ もぜひ見てみたい作品の一つである。内容的には、ハッピーエンドではなく、サプライズということで、あらかじめ度胸がある人に向いているかもしれない。ただ、コンピュータの進化、人工知能に興味のある人にとっては、かなり気づきの多い映画に違いない。

人工知能のひとつの表現であるロボットについては、国内でも、『ジュブナイル』(少年達と未知のロボットとの交流を描いたSFファンタジー。夢のある未来産業の姿、という感想も)、『僕の彼女はサイボーグ』(21歳の“僕”を救うために未来の“僕”が現在の自分に送ったという最高にキュートな“彼女”は大胆でラフなサイボーグだった)、その他、『ロボジー』、『ロボコン』、『CASSHERN』などの作品がある。

海外では、『Robot and Frank』 http://sutekinaaibou.com/ (邦題:素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー。一人暮らしをする老人のもとに、子供たちが家事ロボットを送ってくる。掃除や洗濯をこなし、料理まで作ってくれる。)、『Her』 世界でひとつの彼女 http://her.asmik-ace.co.jp/(孤独な男がコンパクトでおしゃべりをするOSと生活を共有するうちに互いの理解を深め合っていくというストーリー。)などがある。『Her』は、本年6月に国内公開される。こちらは、「人生にときめくAI、声だけの君と出会って、世界が輝いた」、というサブタイトルがある。SF恋愛映画でコンピュータのオペレーティングシステムの声に恋をする男を描いた物語。

・・・ということで、思わず笑ってしまいそうな内容の映画もあったりする。筆者自身は、取り急ぎ、『トランセンデンス』、『Her』、『Robot and Frank』 を見てみたいと思っている。

ところで、昨年、人工知能研究の分野で世界的権威のひとりとされるレイ・カーツワイルがグーグルに加わった。グーグルでは、ジェフ・ディーンの人工頭脳「Google Brain」開発プログラムにも参加している。カーツワイルは、2029年に、人工知能が、複雑な自然言語を理解できる、一種の「意識」を持つと考えている。

テクノロジーの進化が生み出す人類の未来は、人間の意識そのものとも深く関係し、良い意味で何かとてつもない世界になっているかもしれない。


(調査研究者、2014.5.14)





【 SPを終え、フリーに臨む・・・。輝く未来にチャレンジ ! 】

平和の祭典である冬季オリンピックがロシアのソチで行われ、多くの感動を与えてくれた。しかしその後、ウクライナの政変に続いて、ソチと同じ黒海に面するクリミアの緊張、ロシア軍の増強といったニュースは、同じロシアとは思えない、とても残念なことである。すべての当事者が平和的解決を目指し冷静な判断をしてもらいたいところである。

冬季オリンピックの感動の余韻は続いている。金メダル以上の金といってもよい、浅田真央選手、真央ちゃん(以下、真央ちゃんという)のどん底からの素晴らしい演技は今なお私の心に熱く残っている。

人間誰しも、不運に見舞われたり、どうしようもないどん底を味わった経験を持つ人は決して少なくないはずだ。しかし、真央ちゃんは、世界中が注目する中、それを味わい、しかも、自己ベストで最高の演技を見せてくれた。加えて、帰国後に行われた外国特派員協会での記者会見での、あの元首相で東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の「あの子は肝心なときにいつも転ぶ」といった発言に対し、ユーモアを交えて切り返したのは、思わず、さすがで金メダル級の回答と思ってしまった。また、アラビア系メディアが「アラビア語では、アサダがメスのライオン、という意味だ」と伝えると、真央ちゃんは何とも 言えない笑みで「ほう」という表情をつくったのは、思わず笑いを誘った。(^^) 

さて、話を元に戻すと、真央ちゃんの16位という、どん底のSPから、フリーでの大成功の裏で何があったのか? もちろん、真央ちゃん自身の精神力、すごさもある。しかし、考えてみると、お姉さんの舞さんの電話での叱咤激励などもよかったと思う。そしてまた、やはり佐藤信夫コーチの存在が大きい。

真央ちゃんはフリー当日の公式練習でも、前日のショックを引きずっていたのだが、このとき、佐藤信夫コーチは、真央ちゃんに、「34年前、教え子(松村さん)が扁桃炎で高熱を出しながらも、最高の演技をした」という話をして、「何かあったら助けにいくから」と言ったとのことだ。 具体的に厳しい状況の中、最高の演技をした選手の話をしてあげたことがよかったかもしれない。真央ちゃんは、「もう最後は自分がやってきことを信じて、自分も悔いなく終わりたいと思った」と言っていた。そしてフリーで最高の演技を披露したのだった。

昔のことを知らなかったので、調べてみると、佐藤コーチは、フィギュア全日本選手権で10連覇、優勝回数10回、世界選手権でも好成績を残した人だった。そして、荒川静香など有力選手を指導してきた、やはり人生をフィギュアにかけたすこい人だった。やはりコーチの存在は大切と実感した次第。

ところで、コーチというのは、スポーツの世界ではよく聞かれる仕事だが、ビジネスの世界でも広がりつつある。米国では経営者につくコーチも多いという。たまたま、私の家族が、米国コンサルを経験、財界トップとも親交のあったある有名なコンサルタントにお世話になっており、私はその人のコーチングノウハウは大変素晴らしいと感じている(・・・その影響もあって、私もその人のノウハウを学んでいる・・・)。

さて、真央ちゃんとは直接、何の関係もない私だが、真央ちゃんを見習い、どん底からの飛躍を目指して、いろいろチャレンジしている。そして新趣向で、最近完成させたのが、調査報告書 ベースの『 ウェアラブル新潮流、ビジネスモデル開発支援パック』だ。これは、総合家電メーカー、NHK関連、大学講師など豊富な実績のあるフェニックスの鴨川さんが、「今後のサービス指向の技術革新を核とした新規事業開発に携わる方には強力な武器になり、ここに強くお薦めする。 」と推薦文を寄せてくれた。今後も新発想でチャレンジしてゆきたいと思う。

今の私は個人的には、真央ちゃんではないが(笑)、まさにSPを終え、フリーに臨む心境 (?)。 輝く未来にチャレンジ !


(調査研究者、2014.3.5)





【 着眼大局、着手小局  Think Globally, Act Locally 】

新年明けましておめでとうございます。

今年は昨年の流れを引き継ぎ、経済的にはより明るい方向に向かってゆくことだろう。新事業開発などは長期的視点で着実に進めてゆきたい。ただ、地政学的には緊張感がただよう場面もあり、全体的には調子には乗りすぎず、気持ちを引き締めて前進してゆきたいところ。

平成という言葉のルーツともいえる、経済界にも信奉者の多い、安岡正篤先生の干支学でみてゆくと、本年すなわち、平成26年(2014年)の干支は、「甲午(きのえ・うま、コウ・ゴ)」であり、「うま年」である。甲午は「干支」の組み合わせ、60年サイクルの中で31番目。「甲」は十干の最初の干で、新たな生命、新たなる創造に通ずる。この意味では、新事業、新市場が大きく動き出す年とみてよさそうだ。

いっぽう、「午」は十二支の第7番目で季節は旧暦の5月、動物では「馬」。方角は南、時刻は12時、正午を中心とする約2時間を表す。このことから、アベノミクスの話題もまだまだ、盛り上がってゆく可能性が高い。「走り馬に鞭」ということわざがあり、勢いのついている経済が、さらに弾みがつく、とみている人も少なくない。ただ、経済指標である株価や為替などは、一本調子で推移するわけではないので、全体的バランス感覚は常に持ち続けたいところ。

日本全体を見てゆくと伊勢神宮と出雲大社の遷宮の年(2013年)が過ぎたことで、日本は混乱から落ち着きを取り戻してゆくかもしれない。2020年、東京オリンピック開催の決定、富士山の世界文化遺産の決定など、明るい話題がでてきており、日本は本来の天命、良さ、力を発揮してゆく方向にあるといえる。

ところで、ビジネスの話に移るが、かつて、ある大手企業の未来ビジョンづくりの仕事をしていたが、その会社はトップ直轄の新規事業部門を設け、時代の一歩先を行く、新規事業を数多く輩出させていた。しかし、直接話しを聞くと、新規事業は喩えとして、「数多く本を発刊すれば、その中のいくつかはヒットする」といった感覚だったのだ。案の定、先走りすぎて失敗も出てきてしまった。そういう中から、彼らも反省していて、その後、時代の一歩先を行く、のではなく、半歩先を行く、という姿勢、発想に切り替え、成功確率を高めようとしていた。。

時代の流れを先取り過ぎてもいけない、という教訓だが、テクニック的には、時間軸での市場の動き、テクノロジーの動きをしっかりとらえることが肝要といえる。(比喩的な話になるが、筆者はかつて富士登山競争にチャレンジしたが、ペース配分がうまくできず、完走できなかった。当時、戦略が甘かったと大反省。。) かくして、新規事業においては、着眼大局、着手小局(=Think globally, act locally. 全体の状況を俯瞰的に見ながら、目の前の小さいなことを細心の注意を払って実践する)の戦略を徹底させ、バランスのある戦略を推し進めてゆくことが期待される。

2014年における貴社、皆様のご成功、ご発展をお祈り申し上げます。


(調査研究者、2014.1.3)






【 NEXTビジネス企画構想戦略のご提案について】


【ビジネスモデルの重要性】

ここでは、最近の調査で印象的なことを書いてみたいと思います。

ビジネス戦略を進める上で、ビジネスモデルの重要性は年々高まってきています。かつて、米国におけるインターネットベンチャーを調査、数多くのビジネスモデルを調査したことがありますが、たまたま時を同じくして、同様に米国ベンチャーのビジネスモデルを調査していた人物は、その後、ソーシャルメディア企業を設立、上場を成し遂げ、企業グループを持つなど、サクセスストーリを描きました。最先端のビジネスモデルを数多く調査研究することは、事業を成功に導く上で、重要なステップといってもよいかもしれません。

最近はウェアラブルに関連したテーマを手がけていますが、そもそもウェアラブルは1990年代頃より話題になってはいたものの、携帯電話の普及などに押され、話題には上りづらくなっていました。しかしながら、今や、Wearable = Wear + your + love(愛)、あるいは、Wear+able (可能性)、といったナイスな解釈、コンセプトが出てくるほど、私たちに未来市場の可能性を感じさせてくれています。

【NEXTビジネス企画構想戦略のご提案について】

ウェアラブル・デジタルの最先端ビジネスモデル調査では、30のビジネスモデルを分析しましたが、大きく分けて端末系、アプリ系、サービス系、企画系、新発想系と分類してみました。不思議なことに、これらをパワーポイントを使って、フラッシュ的に映像化して見てゆくと、ビジネスアイデアが湧き出て、新ビジネスモデルがひらめいてきます。

そこで、NEXTビジネス企画構想戦略の提案が創出されてきました。

弊社では、今回、NEXTビジネス企画構想戦略をご提案させていただいておりますが、
http://www.aqu.com/wearable-business/
 (下の方です)

クライアント様のビジネスに合わせてご対応させていただきたいと思っていますので、ぜひ一度ご検討してみてください。

発想としては、調査した各種ビジネスモデル(類似型含む)を同時進行、テストマーケティングさせて、成功、感触のよいものにフォーカスさせて、世界展開をはかる、という構想です。

最近、あるプロジェクトのキーマンと打ち合わせをしていましたが、来年は、ウェアラブル関連で、弊社とビジネス連携をはかってゆこうと話し合っていました。そうしたこともあり、クライアント様のビジネス開発、事業開発をよりパワフルに支援してゆけるのでは、と考えています。

たまたま、世界的コンサルティング会社の某社も、弊社のウェアラブル資料を早速購入していましたが、実際の市場動向に合わせた戦略提言では(ベースが同じものであるなら)、大きな差はないように思ったりもしますが・・・。いずれにしても、それぞれのミッションを果たし、ともに市場活性化、未来市場の創造をはかってゆきたいところです。

さて、ウェアラブルの流れは、将来的には、ロボット、脳ICT、、、というように拡がってゆく(リンクしてゆく)とみています。その意味でもフォーカスする視点では、たくさんのビジネスの可能性が出てまいります。NEXTビジネス企画構想戦略プロジェクトを活用して、ともに、2014年のビジネスを力強く推進してまいりたいものです。


(調査研究者、2013.12.19)






【 祝東京オリンピック開催決定! ウェアラブル・ビジネスにも好影響!】


 2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決定した。直前まで、マドリードがリードといった情報もあり、東京に決定したとの報を受けて、サプライズであり、感動させられた。猪瀬都知事は勝因について、「オールジャパンでがんばった」と話していたが、まさにそのとおりであろう。

 ビジネス的に考えてみると、いくつか注目したい点がある。まず、プレゼンである。最終プレゼンテーションで、フリーアナウンサーの滝川クリステルさんが日本の「お・も・て・な・し」の精神をアピールしたが、とてもソフトでよかった。パフォーマンス学で知られる、佐藤綾子さんは、チームプレーがもたらした成功であり、適材適所でその人に合う内容を、その人に合うスタイルで喋っていた点を挙げている。今回、東京招致委員会は、ロンドン、リオデジャネイロと2大会連続で招致に携わった「オリンピック請負人」とアドバイザー契約を結び、プレゼンテーションの練習を最後まで続けたという。ビジネスの世界では、スティーブ・ジョブズのようなプレゼンができるといいが、何はともあれ、プレゼン力の大切さを感じさせてくれた。

 次に、東京オリンピック開催の今後の経済効果である。東京都の試算では、施設整備と宿泊客増などに加え、それによる雇用者増などの波及効果を足し合わせ、二〇年までの七年間で約三兆円としている。また、SMBC日興証券では観光や飲食の消費額なども見積もり、経済効果を四・二兆円と計算した。いっぽう、大和証券(木野内氏)は五輪開催でほかのインフラ整備も加速すると試算、トータル百五十兆円としている。業種的には、一般的に、建設、観光、スポーツ、警備、家電などが関係してくるが、ウェアラブル、ICT、ロボットなどのビジネスにおいても好影響を与えていきそうだ。

 たとえば、安倍首相と猪瀬都知事は会談で、世界の東京になっていくきっかけになるとして、案内板の多言語化推進に、取り組むとしているが、スマートウォッチ、スマートグラスなどにおいても、観光、スポーツ等での多言語翻訳、あるいは各種のナビゲート機能が役立ってくる可能性がある。その他、先端技術が生かされる可能性として、VIP自動運転カー、顔パス決済、超高精細カメラによる警備などがあり、先端技術の活用の場としても重要な祭典となる。

 最近の日本経済は、アベノミクスによって、経済復興しつつあるといえるが、ここにきて、東京オリンピック開催が決定したことで、「アベノリンピクス」に進化しつつある。「日本国民に元気と明るさをもたらし、東日本大震災の被災地に勇気と希望を届ける」(経団連の米倉会長)といった声がでている。

 最近では、新型国産ロケット・イプシロンの打ち上げ成功、富士山の世界文化遺産決定など、日本にとってポジティブなニュースが連続している。

 ここで、オリンピックに関連して、かつてカール・ルイス氏(米国)が走幅跳で三冠達成に臨むにあたったときのことを書いてみたい。(昔のことで恐縮だが、記憶に間違いなければ以下のとおりだ。)

 当時、彼は走幅跳の三大会連続金メダル(ソウル、バルセロナ、アトランタ)にチャレンジすることになり、いざ本番を前に、心が落ち着かなかった。そのとき、お母さんが、「Feel at home!」 (くつろいで、いらっしゃい!)といってくれたという。そして、その感覚を持って臨み、三大会連続の金メダルを獲得した。・・・厳しいビジネスの最前線では、プレゼンなど緊張を余儀なくされる場面がつきものだ。しかし、人事を尽くして天命を待つ、ベストを尽くしてきたのだから、後はすべてを受け入れる、そして、「Feel at home!」、自然体で臨む、ということができれば最先端の生き方をしている、ということになるかもしれない。

 今回、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会プレゼンンテーターとして、現役アスリートとしてフェンシングの太田雄貴選手とともに、スピーチを行った佐藤 真海選手は、義足のアスリートである。

 早稲田大学商学部の応援部チアリーダーとして活動していたが、在学中の2001年、骨肉腫発症により2002年4月に右足膝以下を切断し、水泳でリハビリテーションしながら陸上競技でのパラリンピック出場を目指した。走り幅跳び競技で、2004年アテネパラリンピックは3m95cmで9位、2008年北京パラリンピックは4m28cmで6位入賞、2012年ロンドンパラリンピックでは自己記録更新4m70cmで9位を記録している。

 先に述べた、カール・ルイス氏の8m50cmには、かなわないが、義足で5m02cm(2013年4月のブラジルサンパウロ大会)も飛んでいる。言葉には表現できないほどの感動だ。障害者スポーツの理解と支援を広げる活動にも取り組んでいるという。パラリンピックの選手たちもぜひ、応援したいと思った。


(調査研究者、2013.9.18)






【 期待される、ウェアラブル・アプリ開発企業!】


 かつて弊社において、『先進インターネットベンチャー200社』を調査、発刊したことがあるが、この時は、ベンチャーキャピタル、大学、研究所等が購入した。世の中の最先端を走る、ということは必ずしも、そのことだけでは、成功を意味するとは言えないが、しかしビジネス上で優位に立てることは多い。

 当時、資料を購入した某企業は、ここに掲載された企業(HP制作系)を利用(提携)して、みごと、コンペで競合会社を打ち負かし、大口受注。かなりの利益を得て、翌年の東洋経済の所得ランキングに一気に上位に入ったという、サクセスストーリがある。

 ウェアラブル端末、機器市場においては、ハードのデザイン力、使いやすさ等が大事ではあるが、アプリ開発会社、開発研究者に開発プラットフォームを提供し、自由な発想でアプリ開発等をしてもらう、という点が端末メーカーに求められているのではないだろうか? これが軌道に乗れば市場を育てていき、市場がしっかり成長してゆくことになる。事実、アプリ開発者からは、「デバイスの発売(あるいは発表)と同時にSDKを配布して欲しい。」、「SDKの早期公開と、特に海外メーカーには日本語対応をお願いしたいと思います。」といった声がある。

 スマートフォン、タブレット端末のアプリ市場は、年率30%内外の高成長を続けていくものと見られるが、ウェアラブルアプリは、これまでのスマートフォン・アプリをある程度活用できる部分があるとともに、新規の開発ニーズがある。業界関係者(開発会社社長)は、新たに創出されるウェアラブルアプリへの期待として、「しばらくはスマートフォンとの連携が必須になると思うが、デバイス上で動くアプリ(=ソフトウェア)をサードパーティが開発できるようになればマーケットとして盛り上がる。」と回答している。今後はウェアラブル・アプリの開発力のある企業、またこうした開発会社と連携のとれるメーカーがウェアラブル未来市場の勝ち組になっていくことだろう。

下記のように、ウェアラブルアプリの可能性は拡がっている!

ウェアラブル・アプリ関連参考映像

http://www.aqu.com/flexible-brain-2.html



(調査研究者、2013.8.14)






【 祝・富士山、世界遺産に登録決定 ! 】


 ユネスコの世界遺産委員会は、6月22日、日本の富士山を、静岡県の三保松原を含めた形で世界文化遺産として登録することを決めた。世界遺産への登録が、どれほどの経済効果を生むかは実感できないが、富士山といえば日本の象徴として海外でも知られ、海外からの観光客は今後大きく増えることだろう。

 個人的には、富士山には何度も登り、ときには、20kgを背負って、飲まず食わず眠らず、で登ったり、富士吉田市役所から出発する富士登山競走に参加したりした思い出がある。このときは、さすがに途中までは気合いで走り続けたが、上り坂を走ってゆくのは実に苦しい。富士山の頂上を目指すのは、ちょうど目標を持ち、計画はするものの、実践することの難しさに共通する面がある。頂上付近に近づくにつれ、空気が薄くなる。一歩一歩がつらい。しかし登らねばならない。自分自身との戦いになる。そうして、頂上までの道のりがはっきり見えると、つらい自分を忘れて足が軽くなる。頂上にたどりつくと、達成感で一杯だ。いつもその達成感を味わった。富士山は眺めるのもいいが、登るのもいい。

 ところで、あるアナリストによると家電業界には、ヒット製品の15年サイクル説がある。「1969年、カラーテレビ。1984年、VTR。1999年、ケイタイ。そして、2014年、※※※」というものだ。その製品とは何か? 筆者はスマートフォンに続く(NEXT)、ウェアラブルと考えている。ウェアラブルコンピュータはかつて、何度も話題になったが、立ち消えになってしまった。しかしながら、現在、米Googleの Google Glass 関連のリサーチを行う中で、ウェアラブルディスプレイ、ウェアラブルデバイス、腕時計型などの、ウェアラブル機器の可能性を実感してきた。弊社実施のアンケート調査では、新しいウェアラブル機器(メガネ型)がつくり出す未来について、未来の利用シーンについて考えてもらったところ、このウェアラブル機器に期待する意見が多く聞かれた。とくに、ユビキタス文化の創造のための画期的ツールとなり、携帯電話の代替が進む、といった感想も多く見られた。たとえば、「SFの世界だったものが現実になると思うとワクワクする。」、「携帯端末との連動が強化されて、標準のデバイスとなっていく。」、「きちんとした一定の制限が設けられ、正しい使い方で社会が豊かになっている。」、etc. といったものだ。

 家電業界、エレクトロニクス業界は、最近まで厳しい経営環境にあった会社が少なくなかったが、世界の新潮流を自ら作り出していけるような日本人の持つ発想力、企画力を期待したいところである。富士山、世界遺産に決定、それも、三保松原を含めた形での世界文化遺産決定は、天が日本を後押しする気の流れが明確になったということではないだろうか? 今回の決定を日本人として、ポジティブに受け止め、誇りを持って世界に進んでゆきたいものである。


(調査研究者、2013.6.23)






【先端テクノロジーと社会貢献】


【ウェアラブル機器と音声インタフェース】

 現在、スマートフォンのNEXT(将来的有望市場)として注目されるのが、ウェアラブル機器、ウェアラブルテクノロジーの製品群である。

 なかでも、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、ウェアラブルディスプレイともいえる、メガネ型端末「Google Glass」は、その未来感覚、SFの世界に入り込んだような製品として注目されている。単なるコンセプトか、と思いきや、開発者向けモデル「Explorer Edition」を提供したり、ユーザーのアイデアを取り込みつつ、製品化が進んでいる。

 また、Googleのほか、Apple, Microsoft, Samsung、そしてSony、Panasonicなどがウェアラブル機器、ウェアラブルテクノロジーに注力しようとしている。

 弊社のアンケート調査でも、スマートフォンとの連携をはじめ、ユニークなアイデアが出されており、今後の市場の盛り上がりが大いに期待されるところである。

 さて、ウェアラブル機器の入出力インターフェースとして、音声認識・音声合成、画像認識、ジェスチャー認識等が注目される。とくに音声認識の最先端では、これまでの成功率が急速に高まり、じゅうぶん実用レベルに達している。たとえば、コールセンター、医療(カルテ等)、議事録、モバイル、ビジネスソリューション、教育、エンターテイメント、ゲーム、電子書籍、といった分野で普及が進みつつあり、また、音声ブラウザ、音声対話システムなど、注目できるアプリも登場しており、ウェアラブル機器のインターフェースとしても、今後大きな役割を担ってゆこう。


【音声合成と難病「ALS」、そしてiPS細胞】

 最先端の研究開発は、ビジネスとしての可能性だけでなく、社会貢献の視点が大切である。

 音声合成技術の分野では、もともと、ATR(国際電気通信基礎技術研究所)をはじめとする研究機関、通信機メーカー、大学、ベンチャー企業等が研究を進めてきたが、かつてはロボット声(→今でも使われている分野は多い)だったが、現在では、かなり人間の声に近づいてきた。そんな中注目されるのが、音声合成技術に関連するヒューマンな話題である。

 音声合成を使った筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者としては、天文学者のホーキング博士が知られる。ALSは進行性の病気で、これまで有効な治療法はなかった。進行を止めることもできないともいわれてきた。いったん罹患(りかん)すると、意識や五感は正常なまま、全身の筋肉が衰えていく。最後には呼吸筋がまひして、死に至る。1年間に10万人に1人の確率で発症するという。いったん、この病気になってしまった方やそのご家族の気持ちは、推し量れないものがある。

 そんな中、患者さんに元気を与えてくれる話題がある。それは、学習院大学名誉教授の篠沢秀夫さんのことである。篠沢さんは、ALSで闘病中なのだが、そのこと自体はお気の毒で、ご快癒を祈るばかりだが、素晴らしいのは、音声合成を使って、かつての篠沢さんの声で講演をされていることだ。そして妻の礼子さんに支えられながら、執筆活動も続けられていることだ。音声合成による講演、お話は、同じALSの人たちにも希望を与えている。かつて、篠沢さんはフランス文学者でありながら、視聴率が高かったクイズバラエティー番組「クイズダービー」のレギュラー解答者をされていた。珍答迷答ぶりや柔和な人柄で人気が高かった。

 その篠沢さんと、iPS細胞の研究でノーベル医学賞を受賞された、京都大学教授の山中伸弥さんに接点がある。山中教授は、講演の中で、篠沢さんの闘病中の様子をスライドで示しながら、iPS細胞を使ったALS治療の意義を強調しているという。

 今まで、解決策がなかったALSの患者さんに、希望が見えてきたのだ。もちろん、実現するまでには、時間がかかり(iPS細胞の実用化には10年程度かかるという)、現在の状況がすぐに解決するわけではないが、希望の光を感じさせてくれるiPS細胞の研究の加速を大いに期待したいと思う。

 たまたま筆者は、音声合成技術のビジネス化を進めてきた経験があり、がんにより声帯をとってしまった方や、ALSの患者さんとお話させていただいたことがあった。最先端の研究開発が困っている方々に光明を与え、社会に貢献できるよう、今後も置かれた立場を生かし知恵を働かせてゆきたいと思っている(先日、上場企業の常務を経験した方より、音声認識のキーマンを紹介したいという話をいただいた・・・)。


(調査研究者、2013.5.10)






【大胆な発想、異次元発想による成功への道】


 日銀による大胆な異次元緩和は、円高の修正、株高を呼び込んでいる。

 2012年12月に誕生した安倍晋三内閣の経済政策は、アベノミクス(エコノミクスとかけ合わせた造語)といわれ、「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」、すなわち、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三つからなり、この三つを毛利元就の三兄弟の結束にまつわる「三本の矢」の逸話にちなんで「3本の矢」と表現している。長期のデフレを脱却し、名目経済成長率3%を目指す。日銀による、大胆な異次元緩和はこの流れにある。

 「財政出動」の対策規模は総額20兆円、公共事業が主体。「金融緩和」はインフレターゲット(物価上昇率の目標)を2%に設定。「成長戦略」は研究開発・イノベーション創出促進、省エネルギー・再生可能エネルギー投資の促進、新ビジネスへのチャレンジなど、となっている。

 ビジョンを明確にして突き進む姿勢は、何はともあれ評価されるのではないだろうか。

 昨年11月の衆院解散以来、米国ドル / 円は、80円近辺から、100円近辺に。日経平均株価は、9000円近辺から、13500円近辺(4月12日現在)になっている。この間、ジェットコースターのような上下変動もあったが、結果的には、専門家も驚くほどの円安、株高となっている。加えて、内閣支持率は70%を維持している点が注目される。

 さて、安倍氏の復活に注目したい。

 そもそも安倍氏は、かつて首相にあったとき、大腸の病気により、政権を投げ出してしまい、当時としては不評を買ってしまった。しかしながら、体調を整え、見事に復活したことはその精神力を高く評価したいところである。(→失敗からの復活、成功を目指す人には勇気、元気を与えてくれることにつながる)。経済、ビジネスの具体的な側面では、賛同できる点が少なくない。TPP参加(守るべきものは守る、という姿勢が前提だが)、製造業の復活、イノベーション基盤の強化、法人税の引き下げ、メタンハイドレートやレアアース泥などの海洋資源の開発といった点である。

 ここにおいて、大胆な発想、異次元発想について、開発、事業戦略の観点から考えてみたい。

 弊社の場合、調査の仕事をしている中で、顧客企業の事業開発を支援することがある。すでに、時効、発展的解消となっている案件なので、少しふれてみたいと思う。当時、音声合成の新技術について新事業を模索していた企業をサポートしたことがある。なかなか適切な用途、パートナーが見えず困っていた。そこで、筆者は心を鎮め、提案書に工夫をこらすなどの努力をした。その結果、パートナーが見つかり、かつまた、話の流れでパイロットプロジェクトとして共同推進することになったのである。筆者がプロジェクトチームの情報ネットワークを構築。製品のネーミングなどは侃々諤々 ( かんかんがくがく )の論争となりながらも、今後の戦略などをねってきた。ハードルはあったものの、3本の矢は見事に成功した。声帯を失った、ある大学教授の音声合成活用について、弊社にNHKから直接問い合わせがくるなど、一気にブレイクしたのである(その大学教授の話題はヒューマンな話題として、また、IT的にも注目され、新聞各紙にも大きく取り上げられた)。このヒューマンな話題は、関係する障がい者の支援、生きがいにもつながることとなったのである。

 かつて、ノーベル化学賞(2000年度)を受賞した白川英樹博士の発見は、触媒の量を間違えたときの結果が、大発見につながった。触媒とは何か? 「触媒」(catalyst) とは、それ自身は変化しないまま、接触する周りの物質の化学反応を促進あるいは抑制する物質である。一般的に、会社や、スポーツチームなどの組織において、普通の人間で、取り立てて目立つ能力はないように見えながら、その人物がいると、なんだか不思議と全体が盛り上がってしまう(俗的にいえば、宴会担当に似ている? )。組織全体が活性化する。しかし、その人がいなくなると、全体のパワーがしぼんでしまう、というようなことがある。提携や買収のときなどは、それぞれの持ち味が生きて相乗効果を発揮することが期待される。ノーベル賞のような大発見につながる触媒ともいうべき立場を認識することにより、そして大胆な発想、異次元発想、具体的なアクションをとってゆけば(かつまた天が味方すれば)、道は拓かれ、大きな成功につながってゆくことだろう・・・。



(調査研究者、2013.4.14)






【未来に生きる! イースター島のモアイ】


 イースター島の人面巨石像、モアイといえば、考古学者はもちろんのこと、世界の不思議に関心のある人なら、知っている人が多いことだろう。東日本大震災の被災地、宮城県の南三陸町に、最近、復興と友好のシンボルとして、イースター島から、モアイが贈られたという。これは1960年に三陸海岸を襲ったチリ地震の津波がひとつの縁となり、1990年にチリから、復興と友好のシンボルとしてモアイが贈られていて、町の人々に親しまれていたのだが、2011年3月の大震災で壊れてしまった。今回は、2012年に南三陸町を訪れたチリ大統領が、2010年からモアイを町おこし、防災のシンボルとしてキャラクター商品の開発、販売を行ってきた地元の高校生たちに感銘したことが、実現のきっかけという。日本とチリの友好、日本とイースター島の友好、ということで、いろいろ考えさせられることがある。現地語で、モアイの「モ」は未来、「アイ」は生存(生きる)という意味を持つ。よってモアイとは、未来に生きる、という意味がある。

 私はイースター島、ナスカの地上絵などについて、はるか古代に宇宙人がやってきた、という仮説について、学生時代に研究したことがあった。その結果、宇宙人がいてもおかしくない。「よし、宇宙的なスケールで物事を考えてゆこう、宇宙的な発想を大切にしてゆこう」、と決意したのであった。あれから数十年。たまたま、数日前の日経新聞の一面に、国立天文台の副台長の渡部氏が次のように記していた。「講演会などで、よく聞かれる質問のひとつが宇宙人の存在である。「そりゃ、いますよ」と答えると、かなりの人が驚く。天文学者は地球外知的生命体(宇宙人)の存在を楽観している。それは天文学の歴史を紐解(ひもと)けば理解してもらえるだろう。」として、400年以上前は、地球が宇宙の中心であり、われわれは特別な場所に生まれた“選ばれた民”と思い込んでいたが、地球は何のことはない、調査研究してゆくと、地球のような星(地球の大きさと類似した惑星)、地球類似惑星は、この銀河系だけで少なくとも、1億個はあると考えられている。(※注) この全宇宙には、銀河系のような星の集団(銀河)が、1000億以上あるとされているから、私たちの住む、この全宇宙には、1億×1000億(個)=100000000×100000000000=10000000000000000000(個)が、地球類似惑星ということになる。なんと、地球人類の人口(約70億)よりもはるかに多い、という計算になる。最先端の天文学、宇宙科学研究者たちのとらえた宇宙の真実について考えてみる、宇宙の知的生命体について考えてみる、・・・ちょっと、想像するだけでも、楽しい世界ではないだろうか?

 私の究極の夢、ミッションは映画『コンタクト』ではないが、宇宙の叡智、テクノロジーを得て、地球世界の発展や平和に役立たせることだ。(・・・とはいうものの、地球世界のテクノロジーの進化発展はすさまじく、ついていくのが大変だったりする。。。(^^;)

 この宇宙は、あまりにも大きすぎて、現在の人間智では分からないこと、理解できないことが多い。しかし地に足をつけて地道な仕事をしながらも、時には宇宙的な大胆な仮説を持って、検証、調査研究してゆく中で、新しい発見(成功)が生まれてくることも多い。私はモアイのように、未来に生きる、というスタンスで今後も最先端をとらえてゆきたい、と考えている。

(※注) 2013年1月7日、米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究者らは、銀河系に地球の大きさと類似した惑星が170億個存在すると発表。研究者らは調査を通じて、銀河系にある恒星の17%において、その軌道内に地球とほぼ同じ大きさの惑星が存在していることを発見。銀河系には約1000億個の恒星が存在するため、約170億個の惑星の大きさが地球と同じである、と分析している。


(調査研究者、2013.3.24)






【中国の大気汚染、空気清浄機・健康機器ニーズの拡大へ】


 北京などで発生している大気汚染は中国国内だけなく、日本にも影響が広がっている。トラックやバスのディーゼルエンジンなどから排出される、「PM2・5」(PM: Particulate・Mater)と呼ばれる超微粒子は、大気中に漂う微粒子の中で極小な物質(直径2・5マイクロメートル)とされる。

この粒子は普通のマスクも通してしまうといわれ、大量に吸い込むと、肺がん、ぜんそくなどの呼吸器系の病気になりやすい、といわれている。

たとえば、咳ぜんそく、気管支喘息は、経験のある人なら、そのつらさがわかるが、激しい症状の場合、呼吸そのものができなくなり、気絶しそうになり、死に直結しやすい病気である。歌手のテレサ・テンなどもこの病気で亡くなっている。また中高年の場合、ぜんそくをきっかけとした、そけいヘルニアという、腸が飛び出してしまう病気にもなりやすく、注意が必要だ。

こうして考えてくると、中国の大気汚染は、早急に対策を講じる必要がある(中国では、大手国有企業の既得権益の関係から、排ガス規制が進んでおらず、まだ古いディーゼルエンジンが使われているケースが多いとみられる。)

そのような中で、

尖閣という日中間の課題を契機に、自動車や家電製品の分野で日本メーカー製品のボイコットが続いているが、意外と、空気清浄機や化粧品などの健康、安心に関連する分野では日本製品の評価は高いという。

中国の空気清浄機市場は、2010年の約50万台から倍増し、2012年には約100万台規模になったと推計されている。2012年の市場シェアは、パナソニック、シャープ、ダイキン工業の3社合計で、40%だが、現在、急拡大している。ちなみに、各社とも増産中で、1月はパナソニック前年同月比2倍、シャープ同3倍、ダイキン工業同3.6倍となっている。

花粉症など呼吸器系の病気は今後増えると予想されているが、健康機器ニーズはいっそう拡大してゆくことだろう。こうした日本の高い技術力の製品が中国の人々に自然な形で役立ってゆけば、間接的だが、回りまわって相互の未来にも、よい影響を与えてゆくことだろう。


(調査研究者、2013.2.9)






【2013年、冬眠から覚めて、本来のパワーを発揮せよ!新たな未来を創造せよ!】


 新しい年、2013年は政治、経済、社会、あらゆる分野で大きく変化する年になりそうです。

 昨年末には、民主党政権から自民党政権となり、第2次安倍内閣が発足。経済指標もすでに大きく変化してきました。世界的には、米国においてオバマ大統領の再選があり、また中国、韓国でも新しいリーダーが誕生。日本と世界は文字どおり、新たな未来を創造、大きく動き始めようとしています。

 さて、2013年(平成25年)は巳年で、動物にあてはめると蛇になります。
「巳」という字は、胎児の形を表した象形文字で、蛇が冬眠から覚めて地上にはい出す姿を表しているとも言われており、起こる、始まる、定まる、、、などの意味があるとされます。また蛇は、脱皮をすることから「復活と再生」を連想させるので、2013年は、新しいことが起こる、始まる、さらに復活、再生、というイメージと重なってきそうです。

 ところで、2013年のIT関連における世界の戦略的テクノロジーとしては、引き続き、ソーシャル・コミュニケーション、クラウド・コンピューティング、 モバイル・アプリケーションおよびメディア・タブレット 、ユビキタス・コンピューティング、アンビエント・コンピューティングなどであり、これらの周辺領域において、事業の強化、事業開発の可能性があると考えられます。

 中でも、弊社としては、未来市場としての可能性が大きい脳科学関連、ライフログ、HMD(ウェアラブルディスプレイ)、センサーネットワーク、インテリジェントカメラ、インターネット・オブ・シングス、介護ロボット、その他レーザー関連等に注目しています。

 たとえば、Internet of Things (IoT) という考え方があります。これはモノとインターネットがつながるという考え方で、技術要素としては、埋め込みセンサ、画像認識技術、近距離無線通信 (NFC) などです。無線方式であるNFC、Bluetooth、Wi-Fiなどを通じてウェアラブルディスプレイ、家庭用エンタテイメント・システム、医療センサ、スマート・ポスターなどにおけるデバイス、周辺機器との通信を可能とさせるものです。こうした分野は明らかに、新ビジネスチャンスの可能性が大きいといえるでしょう。

 ビジネス開発の着眼点としては、たとえば、製品だけでなくサービスで本業の付加価値を高める発想、様々な異業種プレイヤーとの連携による新サービスの開発、ビッグデータの積極的活用等が挙げられます。

 こうした大局をとらえながら、本年はビジネスの成功へ向けて、より着実に前進してゆきたいものです。引き続き、貴社、皆様のご成功へ向けて事業開発の支援をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。



【企画推進中】

「新HMDの市場予測並びに用途開発に関する調査」

「新インテリジェントカメラの市場予測並びに用途開発に関する調査」

「ウェアラブル、ライフログ関連機器における新事業、需要動向に関する調査」

「脳科学およびウェアラブル関連機器における新事業、需要動向に関する調査」

「アンビエントコンピューティングにおける新事業、需要開発に関する調査」

(調査研究者、2013.1.4)






【 最先端、革新的魅力ある商品づくり、研究開発への期待 】


小惑星探査を目的に開発された探査機「はやぶさ」は、60億キロ7年に及ぶ宇宙の旅を終え、2010年6月13日に地球へ帰還した。・・・このニュースを思い出すと、今なお、感動がよみがえってくる。

日本人の底力、技術者たちの知恵、執念の素晴らしさを感じる。通信途絶で行方不明、燃料漏れ、エンジン故障など、絶体絶命となった時、地球の管制室にいた日本人技術者達の「知恵」と「執念」が、いつも逆境を跳ね返したという。

さて、宇宙から地上に転じて、スケールは異なるものの、企業のモノづくりの現場でも、研究者たちの奮闘が続いている。とくに、ここ数年の出来事(ユーロ危機、東日本大震災、原発事故等)も大きく影響し、消費低迷、設備投資もなかなか盛り上がらない、といった景況感を感じさせる中、革新的画期的な製品をつくり、それをヒットさせることはなかなか厳しいものがあるといえる。

ただ、ここで大局的に考えてみると、地球世界は新時代を迎えている、と考えられる。

たとえば、2012年という終末論が一部で騒がれていたものの、その真意は、地球世界が新しい時代を迎えようとしており、社会的価値観の変化、より未来感覚あふれる時代に突入した、ということであろう。また民主党政権から自民党政権への回帰を国民が選択したことも、何か新たなビジネスの風が吹こうとしている、と感じさせるものがある。

ここで、2013年へ向けて、大胆な発想で、未来を切り拓こうとている事例をいくつか、紹介してみたい。

ロボット関連のベンチャーとして知られる、株式会社ゼットエムピー(2004年よりロボット開発と量産化を実現し、これまで4,200台を超える販売実績がある)は、クルマとITを融合させ、ロボットカーを目指している。開発のテーマは三つで、

・クルマの車内ネットワーク情報と画像認識等のセンシングデータをクラウドにUPして、新しいサービスをうみだす

・これまで記録できなかったヒヤリハットなど事故の原因となるデータを取得、検索できるようにする

・クルマの全く新しい楽しさ、便利さを生み出す

としている。また、今後5年がかりで取り組みたいとしているのは、バイオで、iPS細胞の開発や製造を飛躍的にサポートするロボット技術やサービスを生み出すことという。
時代の最先端にチャレンジしている姿勢は、大いに注目される。

いっぽう、電機大手のパナソニック、ソニー、シャープ等が厳しい経営環境にある中、各社とも、巻き返し策を錬っている。

4年連続の最終赤字に沈むソニーではあるが、7月に、新規事業の創出に向けて、100人規模の研究開発チームを立ち上げた。組織は、電機、機械、化学、材料、医学など、各分野の技術者を中心に構成。自由な発想で「世界中のユーザーをアッと言わせる革新的で魅力ある商品」に結びつけることで、再生を目指す、という。(某大手企業の事業開発セクションでも、各分野の技術者を集めていていた。このときは、脳科学関連ビジネス等において、筆者はプレゼンテーションの機会を持ったことがある)

ソニーに限らず、各社の研究開発、事業開発の方々には、社会的ミッションを感じながら、ぜひ、未来感覚の、時代を先どる発想、ユニークなアイデア、感動を呼び起こす商品づくりを実現させてもらいたいところだ。

地球世界は新しい時代を迎えようとしている!

2013年は、危機突破の研究開発、事業開発が大きく前進、飛躍する年になるだろう!




(調査研究者のコラムより、2012.12.12)






【 人類の文化発展、世界平和に貢献・・・山中教授のノーベル賞に想う 】

ノーベル賞とは、人類の文化発展、世界平和に貢献した人に贈る賞である。

小学生の頃、学校の図書館にあった世界偉人伝の本(ワシントン、キューリー夫人など)をたくさん読み、自分もこうした人物のように、世界の歴史に名を残せるような人物になりたい、もしできることなら、少しでもそのようになりたい・・・と子供心にも思ったことがある(現実は・・・(^^;))。そのような中にノーベルの本もあり、世界の偉人を称える賞をつくったという発想に感銘したことがあった。

本年のノーベル賞で、とりわけ身近に感じたのは、「万能細胞の研究に革命、山中伸弥京大教授にノーベル医学・生理学賞」というニュースである。

山中教授の発見の要点は以下のとおりだ。

・ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)を発見。人間の大人の皮膚に4種類の遺伝子を導入するだけで、胚性幹細胞(ES細胞)に似たiPS細胞を生成する技術について、2007年11月、発表。
・iPS細胞とは、皮膚などの体細胞から様々な細胞になりうる能力を持った細胞で、再生医療の実現や難病の解明などに役立つと期待されている。(同教授は、再生医療のほか、創薬等にも可能性を感じているという)
・分かりやすくいえば、この技術は、通常の体細胞から受精卵のような万能性を持つ細胞を人工的に作り出す技術。万能細胞は心臓や肝臓、神経、血液など、あらゆる細胞を作ることができるとされるが、目的の細胞を作製して患者に移植すれば病気になった臓器や組織を「再生」できるということになる。


ヒトの体は約60兆個の細胞でできている。人間の誕生は、最初はたった1個の受精卵から始まって、さまざまな種類の細胞に分化・増殖を繰り返して、臓器や骨、筋肉、皮膚などがつくられるが、その根本的原理につながる、という意味でも注目される。(かつて、筆者は、生命科学研究をしていた中村名誉教授に直接、生命科学の神秘性、魅力について聞かされたことがあった。)

山中教授は、発見までの半生は挫折と再起の繰り返しとのことで、「人間万事塞翁(さいおう)が馬」(人生の幸・不幸は予測できない)の言葉を心の支えに研究に力を注いできたという。受賞後の山中教授の「感謝」という言葉には、教授の優しさ、謙虚さが感じられる。

世界における日本の現状は、政治経済社会、いろいろな分野で厳しい課題が多く、閉塞感が漂っている。しかし、こうした研究、開発の分野で、今後も世界に認められれば素晴らしい。山中教授の受賞はその意味でも、日本人に元気を与えてくれた。

なお、同時に発表された、ノーベル平和賞は、欧州連合(EU)が受賞した。これは、長くユーロ危機にあえいだ同地域の人々に勇気を与えることだろう。欧州経済、世界経済にもポジティブな影響を与えるかもしれない。



(調査研究者のコラムより、2012.10.13)






【 オリンピックに想う、感動をありがとう ! 】

ロンドン・オリンピックが幕を閉じたが、さまざまな感動シーンは映像として記録され、オンデマンドで、そのときの記憶をいつでも呼び起こせたり、何度も見たりできる。私たちはとても便利な時代に生きている。。。

http://www.joc.or.jp/games/olympic/london/

さて、最も印象に残ったシーンは、人それぞれ違うと思うが、最新のアンケート調査では、

なでしこ銀メダル、吉田と伊調が3連覇、卓球女子 初の銀 、内村個人総合で金、柔道女子 松本が金、英女王登場の開会式、ボルト 短距離連覇 、バド「無気力」失格、柔道不振 男子金0 、男子サッカー4強 、競泳日本メダル量産 、北島、3連覇ならず 、フェルプス金18個 、、、、etc.

といったシーンが挙げられている。
開会式の演出をはじめ、コンピュータシステム等を駆使した取り組みはやはり、未来感覚、最先端科学を感じさせてくれるものがある。

いっぽう、仕事がら、生き物に学ぶ研究開発といった視点でみたとき、私の場合、新体操に関心を持ってしまった。(^^;)
選手たちの演技は、小鳥や魚、動物たちの群れの整然とした動きにも通じている感じがあり、選手たちの、眼には見えない、通信ネットワークの絶妙さに感嘆した。

これはシンクロナイズドスイミングなども同様で、ヽ〔゚Д゚〕丿スゴイ のひとことにつきてしまう。

人間の可能性。人間というのは未知の才能が眠っている、すごい能力があるんだなあ、と実感してしまう。

ここでは詳細をかけないが、コミュニケーション、通信ネットの世界では、人と人、人とモノ、モノとモノをつなぐコミュニケーション技術が進化を続けている。
センサーネットワーク、ウェアラブルディスプレイなどの世界も、今後期待がもてる有望市場のひとつだ。


(調査研究者のコラムより、2012.8.14)






【 時間は未来から過去に流れる、という発想にヒントを得る】

【時間は未来から過去に流れる、という発想】
  
時間は未来から過去に流れる、とは一般的には、一見おかしいことであるが、この項では、時間を活用した戦略、発想のヒントとして取り上げてみたい。

成功へ向けて、時間を戦略的に使う、時間にまつわる話題としては、投資、スポーツ、ビジネス、さまざまなものがある。

ここでは、具体的に、時間を戦略的に使った例を挙げてみたいと思う。
オバマ米大統領の例が分かりやすい。今でこそ、共和党と民主党のパワーバランスの関係もあり、支持率は高くないが、大統領選で勝ったころのオバマ氏は、インターネット、ツイッターなどを活用するなど、戦略的に勝利した面があった。そんな中で、私が関心を持ったのは、自分をリンカーンになぞらえた演出である。

※オバマ大統領の実績評価についてはここで、言及するものではないが、最近の米国株式市場の動きに関連して、一定の評価を指摘する声がある。また再選の可能性を指摘する声もあるようだ。

【自分をリンカーンになぞらえた演出】

2009年1月18日から、(当時の)次期米大統領の就任公式行事が始まった。20日の就任式は、奴隷解放を宣言したエイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)という歴史上傑出した大統領から大胆に着想を得て、宣誓式で使用する聖書から、式典後の祝賀昼食会でのメニューまで、リンカーンにまつわるさまざまな演出を用意した。
オバマ氏は自分がリンカーンと比較されることから逃げてこなかった。このことが、特に政治にあまり関心が高くない層の米国人に、とても高い期待を抱かせた、という。
プリンストン大学歴史学教授のジュリアン・ゼリザー氏は「(リンカーンを引き合いに出す)彼の目標は3つあると思う。第1に自分を偉大なリーダーと結びつけること。第2に、人種差別の過去を克服しつつある国という、より大きな物語の中に自分を位置づけること。第3に困難な時代における分裂を癒すことのできる指導者だと自らを演出することだ」と分析していた。その年はリンカーン生誕200年にあたり、オバマ氏はイリノイ州で弁護士の経験があるという点でもリンカーンに似ていた。リンカーンと同じく政治的経験が少ないという批判に打ち勝って大統領選に勝利し、就任直後に南北戦争が始まったリンカーンと同じく国家的危機の時代に大統領に就任した形となった。
とくに、オバマ氏は17日、リンカーンの就任式までの足取りをなぞり、フィラデルフィアから列車でワシントンへ出発、途中ボルティモアに立ち寄った。このような演出は、自この出来事を米国人の心に、歴史的シーンとして認知させることで、その後の展開への使命、期待を抱かせることにつながったのではないだろうか?

【時間は未来から過去に流れる、という発想】
      
時間にまつわる映画や本は多い。
時間は未来から過去に流れる、ということを最近、著書等で唱えているのが、脳機能学者の苫米地英人氏である。苫米地の考え方は、大胆な発想であり、異端的に見られている面もあるようだ。ただ、発想としては、参考になる面がある、という意味で、ここで取り上げてみたいと思う。


時間は過去から未来に流れている
【過去】  →  【現在】  →   【未来】



時間は未来から過去に流れている
【過去】  ←   【現在】  ←   【未来】


同氏は、時間は未来から過去に流れる、ということを以下のように説明する。


川の上流から流れてきた赤いボールを拾ったら、次に青いボールが流れてきました。
その場合、「赤いボールを拾ったから青いボールが流れてきた」のでしょうか?

過去の因果で現在や未来が決まると考えるならば、「赤いボールを拾った」という過去の自分の行為が青いボールを招いたことになります。しかしそうではありません。赤いボールを拾おうが拾うまいが、青いボールは未来から流れてきます。

現在を決める原因は未来にあり、過去を決める原因は現在にある。よって時間は未来から現在、過去へと流れる。


※ 『夢をかなえる洗脳力』(アスコム、2007年)



【物理空間と情報空間】

また同氏の物理空間と情報空間に関する見方は参考となる点が多いので、ポイントをまとめてみた。

・西洋では元来、デカルトの二元論のように物理空間と情報空間は別のものと考えられてきました。しかし、今日では物理空間と情報空間は同じものと考えられるようになっています。
・宇宙とは本来、抽象度の高い空間です。様々な抽象度の中の一つである物理宇宙が、情報宇宙の一部であると考えられれば、宇宙に関する多くの謎に対する答えも得られるはずです。
・西洋哲学、西洋物理学の世界では、外の世界と心の世界が別々に考えられていました。またホーキング博士の宇宙論の本では、時間は過去から未来へと流れている、ととらえてきましたが、今やさまざまな壁にぶつかっています。しかしながら、東洋哲学では、もともと「時間は未来から過去へ流れる」ということ言っていました。(アビダルマ哲学)
・仏教哲学の東洋ではこの世はすべて情報であるという考え方がもともとありましたから、そうした考えに違和感はなかったのですが、様々な知のパラダイムを経て、西洋でもようやく認識されるようになっています。
・現在、過去、未来のすべてをあらわす「一念三千(いちねんさんぜん)」という言葉がありますが、まさにそうした位相的な見方でこの世界はとらえることができます。
・今、私たちがいる物理宇宙は情報宇宙の可能性の一つ、もしくは、情報宇宙の中のパラレル・ワールドの一つにすぎないと見ることができるのです。
・未来が原因であり、現在は過去と考えると、ビッグバンは結果になります。原因ではありません。
・情報空間を考えると、時間が立てば立つほど情報は整理され、構造化された結果、より整合的になっていきます。未来から過去という逆向きの時間の流れで見ると、情報空間では未来のエントロピー(無秩序さの度合い)は今よりはるかに小さい状態であり、過去としてのビッグバンに向かって増大していくと考えられます。未来の情報空間は最終的には、エントロピーは極小の状態、つまり、「空」に行き着くと考えられるのです。

(参考、『苫米地英人、宇宙を語る』(角川春樹事務所))

  筆者は、『あるべき未来からの発想』ということでリサーチをしてきたが、世界的に見ると、とくに、地球環境の面でこうした発想がある。たとえば、これからの低炭素(持続可能)社会の計画づくりでは、まず"2050年にCO2排出量50%削減"といった、長期の目標を設定し、そこに到達するための施策・対策を体系化する、といった発想である。これは、環境関係では、"バックキャスティング"による手法といわれている。ちなみに、民主党政権による日本の温暖化ガスの中期目標については「2020年までに1990年比で言えば25%削減を目指す」というものがある。

苫米地氏の考え方は、仏教哲学(チベット密教)や脳機能学という視点で説明している点が面白い。脳については、まだまだ未知なる世界が広がっているが、脳と宇宙、物理空間と情報空間について、大胆な見解を述べている点が好感できる。ただ、学問として考えた場合には、唐突感は否めない。そのため、彼の考え方をひとつの参考として考え、仮設検証して研究してゆく中から、これからの情報技術のあり方や新しい発見が見つかる、という可能性もあるだろう。

(参考) http://www.aqu.com/kandou-business-success/



(調査研究者、2012.7.1)






【 電機業界に試練! サプライズ、感動の製品開発で未来を創造する! 】

パナソニック、ソニー、シャープ、NEC、・・・ 日本を代表する電機、製造業の大手が2012年3月期連結決算において、軒並み巨額の赤字となった。パナソニック、ソニー、シャープは過去最大の赤字を記録。赤字の原因としては、テレビ事業の不振をはじめ、タイの洪水被害の影響、欧州債務危機、円高などという。リーマンショックの影響を乗り越え、回復基調にあったところに大震災もあるなど、日本経済としても大きな試練となってしまった。

電機大手8社の2012年3月期連結決算比較では、上記のパナソニック、ソニー、シャープ、NECが、それぞれ、パナ7721億円、ソニー4566億円、シャープ3760億円、NEC1102億円という巨額の赤字であるのに対し、日立製作所3471億円、三菱電機1120億円、東芝737億円、富士通427億円の黒字であった。日立は、2009年3月期に7873億円という日本の製造業として過去最大の赤字だったため、その後、思い切った選択と集中を続けた結果として、収益がV字回復した形となった。

全体的には、家電の不振、重電の好調といった図式になるが、テレビをはじめとする家電事業は、日本の技術力の高さを世界に示してきた経緯があるだけに、残念なものがある。
しかしながら日本の製造業は、過去にも世界的経済ショックを乗り越えてきており、必ずや、よみがえると思う。ただし、円高傾向の中、大企業をささえる中小企業は相当な試練が待っているともいえる。(新発想によって、ぜひ危機、課題を乗り越えてもらいたい・・・)

今後のあるべき未来、進むべきパワーシフトの方向性としては、生活家電、医療・環境関連などが挙げられる。とりわけ高齢化社会を意識した製品サービス(介護ロボット、支援サービスなど)、環境福祉(各種センサーネットワーク活用)など、また継続して注目されるモバイル、ウェアラブルなどに注力していきたいところである。

日本は世界的にみてもロボット先進国だが、今後、医療、介護福祉、健康管理などロボット活用が広がるとみられる。介護ロボットは現状、100億円内外だが、2035年には、自立支援、介護・介助支援で4000億円規模の市場になるとみられている。

ところで、ここにきて新製品でも、メーカー側の努力が結実しているニュースもでてきている。生産が需要に追いつかない例として、たとえば、ソニーは5月23日、HD有機ELパネルを搭載した3D対応ヘッドマウントディスプレイ「HMZ−T1」の注文受付を一時停止した。これは、2011年11月11日の発売以降、予想を上回る注文が殺到し、生産が要望に追いつかない状況が続いていたことによる、という。「HMZ−T1」は、頭部に装着するヘッドマウントユニットと、映像・音声を伝送するプロセッサーユニットで構成される映像機器だが、動画応答性に優れ、スポーツやゲームなどの速い動きでも残像感が少なく、なめらかな映像で再現できる点が高い評価を得ているという。(直販サイトの販売価格は5万9800円)

ソニーの新社長、平井一夫社長は、「世界中の人に驚きと感動を提供する会社になることがソニーの目指すゴールだ」とし、「One Sony」を掲げている。「全社で同じところに集中、フォーカスしていく」という意味を込めているという。・・・大胆な選択と集中は、今や大手企業の共通のテーマとなってはいるが、各社の製品開発面では、感動を呼び起こす工夫など、つねに消費者、ユーザーの目線を大切にすることも忘れないでもらいたいところである。



(調査研究者のコラムより、2012.6.1)






【 2012年、社会環境変化の留意点とビジネス着眼 】

今年は新年早々、地震があり、また急激なユーロ安など、何かと大変動を予感させるものがあるが、こういうときこそ、自らの心に確固とした羅針盤を持ち、的確な判断をして、ビジネスチャンスをモノにしてゆきたいところである。

Facebook、Twitterをはじめとするソーシャルメディアが拡がっているが、この動きは一過性のものものではなく、未来社会へ向けた大きな潮流として考えた方がよいと思う。

最近の調査でも、企業の収益状況を調べてゆくと、収益力の高い企業はソーシャルメディアに関わる企業が多いことが分かった。かつて、顧客企業の調査報告会で売上利益率についてやりとりしたことがあり、6%と4%の違いの目標値を厳しく討論していたことがあった。しかしながら、最近の調査で印象深いのは、SNS、ソーシャルメディア系企業における売上利益率の高さ(DeNA、グリーなどは、50%)である。業種の違い、また企業内での役割分担といった違いはあるものの、現在の企業収益において、これほど極端な差が出ているのは、実に注目に価するといえる。

先ほど述べた、ソーシャルメディアなどの未来社会へ向けた大きな潮流というものを、最近の社会環境変化の中で、あらためて、しっかりとらえなおしてゆくことが、今後のビジネスを考える上で、とても大切だと思う。

考えてみると、昨年の3.11東日本大震災をきっかけに、社会、人々の価値観は大きく変化した。言うまでなく、原発から自然エネルギーへの流れ、被災地復興の推進、サプライチェーン(部品供給網)などを意識していかねばならないが、いっぽう、ビジネスと直接関係はないものの、頭の隅においておきたいものとしては、「M7級首都直下地震、4年内70%の確率※」、「中国経済バブルの崩壊の予兆または兆候」、「欧州経済、欧州ソブリン債危機の動向」、「イランによるホルムズ海峡封鎖の可能性」、「太陽フレア活動のおよぼす磁気的影響」、、、、などが挙げられる。

こうした状況をふまえて痛感することは、未来からの発想である。かつて『あるべき未来からの発想』を調査報告書としてまとめているが、未来の視点と、現在の状況の比較を精査することが、企画推進の大切なきっかけになる。また、そこには、感動がなくてはならない。ユーザーの満足したシーン、感動シーンをいかに製品開発サービスに取り込むことができるが大切なポイントといえるだろう。

※注) 各メディアで発表されている、首都圏直下M7級「4年内に70%」という報道については、その後、新情報が伝わってきた。東京大学地震研究所のチームでは、東京、神奈川、千葉などの南関東でマグニチュード(M)7級の 首都直下型地震が起こる確率は、「今後4年以内に50%以下」との試算を出している。当初は2011年3月11日〜9月10日に発生した首都圏、M3以上の343回の地震に注目し、小さな地震ほど多く発生する経験から大地震の頻度を逆算する公式などを使ったところ、M7級の4年以内の 発生確率を70%としていた。 しかしながらその後、12月31日までのM3以上の地震88回を加味したところ、4年以内の確率は50%以下に なった。30年以内では83%だった。観測データが増えると再計算が必要であり、 そのたびに確率も変わる、ということになる。・・・いずれにしても、今後も引き続き、緊張感を持って地震対策を進めてゆく必要性に変わりはないといえる。


(調査研究者、2012.2.1)







【 ときに動物は人の心を癒し、気づきを与えてくれる 】

昨年、都内で捨てられていた子猫の赤ちゃんを世話していた方より、子猫を預からせていただき、一定期間、我が家で子猫を飼いました。療養中の家族もずいぶん癒されました。私も、子供の気持ちになって子猫と遊んであげたのですが、けっこう噛まれまして(^^;)、とても貴重な体験をさせていただいたことを感謝しています。

たまたま友人の薦めで、世界の若者からのメッセージ『私を変えた体験』という本を、少し読んでみました。

この中で、ボスニア・ヘルツェゴビナのハルン・イセリッチさんが書いた、石から人間の心へ、を読んで、子猫のことが書いてあり、とても身近に感じ、思いやり、慈悲、平和な共生の大切さを述べた文章に感銘しました。本には、二匹の子猫の死をきっかけに、「私はよい人間になって、また自分の周りの世界を暮らしやすいところにしようと思うようになった。」と書いてありましたが、ときに動物は人の心を癒し、気づきを与えてくれるのだなぁ、と実感した次第です。

以下の映像は世界的に見ても、人気のようですネ。(^^)

だるまさんが転んにゃ

だるまさんが転んにゃ2


(調査研究者のコラムより、2012.2.1)





【 イグ・ノーベル賞を受賞 !   取材訪問した会社に幸運マイコム! 】

昨年、たまたま、筆者が取材訪問した会社の技術がどうやら、イグ・ノーベル賞を受賞したようです。

イグ・ノーベル賞とは、ユーモアあふれる科学研究などに贈られる賞で、かつては、犬の気持ちが分かるという玩具である、『バウリンガル』(タカラ)が賞をとっています。

通常のノーベル賞とは、視点、目的で大きく異なりますが、こうしたユニークな国際的な賞をとったということで、筆者も、取材記事の中で、この技術を「高く評価」していただけに、非常にうれしい受賞の臨場感を、なんだか、少しずつ、実感するようになってきました。(^^)

当時は、販売は苦戦(^^;) していたようなのですが(あのときの担当者の気持ちを知っているだけに・・・)、これをきっかけに、世界市場に打ってでることができ、実利でも成功! ということになりそうです。まずは、本当によかったですね。!!

おめでとうございます!

この技術については、社会貢献という視点では、大切な技術と私も感じていました。。

これからも、日本人の発想による研究開発が、世界に認められ評価されてゆくとよいですね。

-----------------

イグ・ノーベル賞に日本の7人 わさび臭の火災警報装置
化学賞 2011/9/30 10:07

 【ケンブリッジ=共同】ユーモアあふれる科学研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式が29日、米マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大で開かれた。わさびのにおいがする気体を噴射して聴覚障害者に火災を知らせる警報装置を開発した田島幸信・香りマーケティング協会理事長(57)、今井真滋賀医科大講師(49)ら日本人7人が化学賞を共同受賞した。

 日本人のイグ・ノーベル賞受賞は5年連続。今回は「火災など緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさびの濃度発見と、これを利用したわさび警報装置の開発」が授賞対象となり、「非常にユニークかつ実用的」(同賞事務局)と評価された。

 授賞式前、田島理事長は「聴覚障害者に危険を知らせるために考えた技術が世界に評価されて、本当にうれしい」と述べ、今井講師も「受賞の知らせにびっくりした」と喜びを語った。

 警報装置はシームス(東京)が開発。同社の漆畑直樹社長(46)も共同受賞者に入った。睡眠障害が専門の今井講師は臨床試験で貢献。気体噴射機の部分はエア・ウォーター防災(神戸市)が提供し、同社の2人も受賞した。

 このほか「強い尿意が意思決定に与える影響」を研究したオランダ、英国、米国などのチームに医学賞が、「違法駐車している高級車を装甲車で踏みつぶして問題解決」できることを示したリトアニアの首都ビリニュスの市長に平和賞が与えられた。


-----------------

(関連情報)

◆イグ・ノーベル賞公式サイト
http://www.improbable.com/

◆匂いで情報を伝える研究開発
http://barrierfree.nict.go.jp/topic/service/20090608/index.html



(調査研究者のコラムより、2011.10.2)





【新エネルギーの未来】

自然エネルギーといっても、人気のあるソーラー発電だけにフォーカスするのではなく、風力や地熱、海洋など、さまざまなエネルギーを地域の特色などをいかして組み合わせていくとよいと感じている。

さて、筆者は政治的にはニュートラルな立場なので、あまり深入りするつもりはないが、今回の大震災を契機に、政治の世界でも、エネルギー政策と深く結びつく動きがある。たとえば、自然エネルギーへの関心が高まってきている一方、福島の原発がまだ収束していないのに 、地下原発推進議連というものが発足したり、、庶民にはよく分からないことが多い。

そんな中、ひとつの可能性を感じるのが、「石油」を作る藻である。

これは、2010年12月に、筑波大学の渡邉教授が発表(発見)したもので、同教授はこれまでにも、たくさんの藻を調査してきたが、沖縄の浅瀬で棲息する藻が、これまで見つかっているものより10倍以上高い効率で、石油とほぼ同じ成分の油を作り出せる、というのだ。いくつか、ポイントを挙げてみると、、

・渡邊教授らは、沖縄の浅瀬の海に生息している「オーランチオキトリウム」という単細胞の藻に、驚異的なバイオ燃料の生産力があることを発見した。藻から油を精製する時間は、30℃で2.1時間ほど。きわめて短いと考えられる。

・すでに、トラクターでこの藻から取り出された油を混ぜた燃料(バイオ燃料を添加できる3%限界で実験)で成功。量産化へ向けた研究も進んでおり、将来的には、生産コスト1リットル50円程度で生産できるという。

・生産効率はかなり高く、たとえば、量産化できるようになれば、琵琶湖の面積の3分の1から2分の1程度を、この石油を作る藻の生産にあてるだけで、日本が消費している石油を賄うことができるという。

・・・・・ これらは、大きな期待を持ちたいところだが、実際のバイオ燃料としての商用化は、2020年頃ともみられ、現状の電力不足解消には直接貢献はない。とはいえ、中長期的に日本のビジョン、自然エネルギー政策の中にうまく取り込んでもらいたいと思う。また、たとえ、実用化のメドがたったとしても、石油業界や電力業界などに混乱を起こさないよう、なんとかソフトランディングできるとよいと思う。

映像でも述べていたが、この技術を日本のために役立てたい、という同教授の姿勢は評価したい。また、筆者は昨年、沖縄に用事があって出かけていたこともあり、沖縄が生み出した藻、というのが親近感を感じさせてくれた。沖縄近くの海底には、ムー大陸の遺跡もあるという話がある。。何かと沖縄には不思議な話が多い。。。

(参考映像)

石油をつくる奇跡の藻
http://www.youtube.com/watch?v=ns6Mg1yN0So&feature=related



(調査研究者のコラムより、2011.7.6)





【再生可能エネルギー(自然エネルギー)、あるべき未来からの発想】

今回の原発事故を通じて、原子力エネルギーは、私達に明るい未来を与えてくれるものではなく、一歩間違えば取り返しのつかない危険性を持っている、ということが分かってきた。そのため、原子力エネルギーの比重を徐々に減らしながら、場合によっては、削減を加速させながら(安全策を講じながら)、再生可能エネルギー(自然エネルギー)重視の姿勢が期待されている。

先ごろ行われた、G8サミット(主要8か国・主要国首脳会議、フランス・ドービルで開催)では、菅首相は、日本の電力について「20年代の早い時期に再生可能エネルギーの割合を20%を超える水準とする」と表明。また、再生可能エネルギー(自然エネルギー)の普及に向け、「日本中の設置可能な約1000万戸の家の屋根すべてに太陽光パネルを設置することを目指す」と述べた。

これについては充分な検討、数字上の裏づけが乏しい、といった見方も出ている。

とはいえ、再生可能エネルギー(自然エネルギー)重視は世界的なトレンドとなっており、グローバルな視点から、あるべき未来、ビジョンを考え、技術革新や各界有識者の英知を結集することにより、再生可能エネルギー、自然エネルギーを強力に推し進めてゆくべき時ではないだろうか?

たとえばマクロな視点では、スマートグリッドを発展させた、東アジアを結ぶスーパーグリッド構想。インドネシアの地熱、中国とオーストラリアの砂漠を利用した太陽光などを繋ぎ、オーストラリア、インドネシア、インドシナ半島、中国、朝鮮半島、日本を結ぶスーパーグリッド構想を検討すべきだという提案も国際会議(ベルギーのブリュッセルで開催のClimate Parliament)でなされている。これは、通信回線と同じように、ネットワークで需要と供給のバランスをとるというものだ。

また、現実に眼を向けた提案もある。ソフトバンクの孫正義社長は参議院の行政監視委員会で、全国の休耕田や耕作放棄地の2割にメガソーラーを建設すれば今夏の東京電力の発電容量に相当する5000万kWを確保できる、とし太陽光発電パネルを仮設して電力不足を補う「電田(でんでん)プロジェクト」の実施を提案している。

こうした大胆な提案の実現性は、決して簡単なものではなく、むしろハードルは高い。しかし、こうした提案を検討してゆく中で、よりよい提案になったり、あるいは、違ったアプローチの素晴らしい提案が出されてくることもある。

いずれにしても、今は歴史的転換点にきているように思われる。システム哲学者のアーヴィン・ラズロ博士のいうワールドシフトの発想にたち、社会でも組織でも個人でも、できるところから変革を進めてゆくことが肝要だろう。


▼発想のヒント

高効率ジャイロ式波力発電システム
http://www.youtube.com/watch?v=P4J1phu60lw&feature=player_embedded

歩くだけで発電 渋谷ハチ公前広場で発電床実験
http://www.youtube.com/watch?v=4IOski-unc4&feature=related


(調査研究者のコラムより、2011.5.29)





【電力を電波に変換する!  宇宙での太陽光発電に注目】

あらためまして、このたびの東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)に被災されました皆様に、心からお見舞い申し上げます。

さて、東日本大震災は、死者、行方不明者合わせ2万4千人以上(※)という、日本にとってはまさに戦後最大級の大災害となってしまいました。さらにまた、地震、津波を受けた福島原子力第一発電所の事故、放射能漏れは、多大な影響を各方面に与えることになってしまいました。

今は、避難所にいる人々への支援、現地の救援など、また福島原子力第一発電所の事故対策など全力を挙げて取り組むべき課題が山積みとなっています。(現在、いのちがけで取り組んでいる方々に心より敬意をささげます)

そして、同時に大切なことは、全体を俯瞰して、今後の中長期ビジョンに意識を向けることであると思います。

「敝るれば(やぶるれば)則ち新たなり。」(老子) ということばがありますが、現在の状況は、新しい発想で未来を創造してゆくチャンスでもある、と考えることができます。かつての1923年の関東大震災では、帝都復興院(後藤新平総裁)が、大胆な復興計画を立案したといいます。「復旧」ではなく「復興」を掲げていました。これにより、その後の東京ができてきました。今回も、未来志向の大胆な復興計画において、各界の英知を結集して、新しい街づくりができることを期待したいと思います。

さて、原子力のことですが、2010年6月に改訂した「エネルギー基本計画」では、再生可能エネルギーと原発を併せた低CO2電源の割合を2030年までに7割に引き上げるとしていました。しかし、今回の原発事故の衝撃を受けて、日本のエネルギー構成は、再検討せざるをえません。今後は原子力の比重は拡大させず、むしろ、太陽光発電などの再生可能エネルギーを強力に進めるべきと思います。

そこで、私が最近注目していたのは、宇宙での太陽光発電です。これは、以前より夢の発電システムとして、日本や米国の研究者が取り組んでいたものですが、この宇宙太陽光発電は、地上の太陽光発電よりも10倍も高効率といわれています。それは宇宙での太陽光の強さは地上の2倍、日照時間は雲などで遮られること がある地上の4〜5倍になるためだそうです。具体的には、赤道上空3万6000キロの静止軌道にある人工衛星で、光を鏡で集めて発電し、電力を電波(マイクロ波)に変換して地球に伝送するというものです。(太陽エネルギーを直接レーザーに変換して地表に送るという方式もあります)

実は、宇宙での太陽光発電、すなわち人工衛星を使った太陽光発電の実用化に向けて、三菱電機、京大、JAXA(宇宙航空研究開発機構)などが、電力をマイクロ波に変換する技術の実証実験を2011年春からはじめる運びとなっています。見通しとしては、2025年以降の実用化、商用化を目指すようですが、原子力のリスクとは違って安心感があります。ただ、頻繁に軌道修正が必要となるなど短所も少なくなく、これらの弱点をいかに克服してゆくかが課題です。

私は、「情報をエネルギーに変換」という技術と関連して、「電力を電波(マイクロ波)に変換」して地球に伝送という点がおもしろいと感じています。機材の耐久力を無視した場合、発電衛星と送電衛星で地球を覆えば、無尽蔵の電力をほぼ24時間365日にわたって太陽光発電を利用できる、とのことです。

ただし、こうした素晴らしいシステムも、英知や資本を集めて、一気に実用化してしまうと、従来のエネルギー産業に従事していた人たちの仕事が急減してしまい、混乱することもあるので、雇用や関連産業も、うまくパワーシフトしていけるとよいと考えています。 

※5月17日現在、死者1万5093人、行方不明者9093人とあわせ、死者・行方不明者は2万4186人。避難所での生活者、18道都県2390箇所の避難所で11万5433人。建物被害も12万7653棟が全半壊、全半焼し、床上浸水、床下浸水の被害建物も9108棟。また、一部破損の建物は25万8118棟。


(調査研究者のコラムより、2011.4)





【脳インタフェース(BMI/BCI)が拓く未来社会】

 先日、私的な勉強会があり、そこで人間と宇宙、生命の階層性、生物に学ぶ、最先端の機器・サービスなどについて発表させていただいたところ、ある障害者の関係の学校経営において世界的な経験がある方が感想を述べてくださった。それは、新しい意思伝達システムの製品化の話を聞いて、「とても、うれしかった」 というものである。実は、その方は、自閉症のことに詳しく、子供たちはとても純粋ないいものを持っているのだが、コミュニケーションがうまくできないのだという。実際、自らの命を絶ってしまう子もいるのだと話した。。

 コミュニケーション・・・。私たちは、会話、インターネット、携帯電話などにより、簡単にコミュニケーションをとれる環境にあるが、実は、その基本的なコミュニケーションさえうまくできなかったり、むずかしかったり、悩んでいる人たちがいる。私はあらためて、そのことを実感した次第である。

 数年前、私はある仕事をしているとき、筋萎縮性側索硬化症(ALS) の方と話をする機会があった。その方は、「私は、今は話ができるのですが、だんだん、筋肉がマヒして、しだいに体を動かしたり、話すことがむずかしくなってしまう運命なのです。そのため、覚悟を決め、今から、できる限りの準備をして、それに耐えようとしているのです」 と、話してくれた。筋萎縮性側索硬化症(ALS)は他に類を見ない困難な難病で、運動神経だけが次第に破壊され、全身が数ヵ月から数年の間に次第にマヒする。そして、最後には食事することも話すこともできなくなってしまう病気である(ごく稀に長生きする人がいるともいわれる)。理論物理学者のホーキング博士は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断され、車椅子での生活を余儀なくされている(博士の場合、病状の進行が止まっている期間が長いと考えられる)。日本では約7,000人の患者がいる。

 ALSの患者さんの様子は、私自身もなかなか実感できないのだが、実際の介護の方々の心労は大変なものがあるようで、先進的研究者の中には、少しでもコミュニケーションができるようにと、意思伝達システムを開発している。現在、日立製作所の「心語り」などが、患者さんに利用されている。しかし、意思伝達に時間がかかってしまうようで、その意味でも、最新のBMI、BCIが期待されていたのである。

日本ALS協会、ALSについて http://www.alsjapan.org/contents/care/index.html 
難病患者の心をつなぐテクノロジー(前編)「伝の心」開発物語 http://www.film.hitachi.jp/movie/movie753.html 
難病患者の心をつなぐテクノロジー(後編)「心語り」開発物語 http://www.film.hitachi.jp/movie/movie754.html
脳波計測による意思伝達装置「ニューロコミュニケーター」を開発 http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2010/pr20100329/pr20100329.html 


 電総研(長谷川 良平研究グループ長)の意思伝達装置「ニューロコミュニケーター」の場合、2、3年後の製品化を発表したところ、もっと早くしてほしいとの要望があり、そのため、本年夏の製品化へ向けて準備を進めている。


【電総研で開発中の「ニューロコミュニケーターの利用の仕方】

 患者は脳波が測定できる8つの電極がついた特殊な帽子(ヘッドキャップ)をかぶり、モニター画面に向き合う。頬に力を入れると電源が入り、画面に「飲食する」や「移動する」など複数の項目が順番に点滅する。選択したい項目が点滅するときに強く念じると、コンピューターが脳波の形状を読み取り、次の画面に進む。歯磨きをしたいときには第1画面で「移動する」、第2画面で「洗面所」を選び、第3画面で「手洗い」「洗顔」などとともに表示される「歯磨き」を念じれば、コンピューターの音声で「歯磨きがしたいです」と告げることができる。


 私自身は、もともとは、難病の方々とはご縁がなかったのだが、最先端技術の社会貢献という視点で、最新技術が社会に役立つことを願っており、その観点からも研究している。

 以上、BMI、BCIの製品化が、難病の方々への福音となりそうだ、ということを述べたが、実は、BMI、BCIは、エンタテイメント、スポーツ、教育、マーケティングなど、さまざまな用途があり、無限の可能性を秘めている。

 思い出してみると、私は二十数年前に、アルファ波、バイオフィードバック関係の調査をしたことがあり、脳波、脳ビジネスについて研究をしたことがあった。「思っただけでコンピュータを動かせるシステム」の未来像を考えたことがあったのだ。時代の流れ、技術の進歩には感慨深いものがある。今や、時代は脳科学応用の時代に突入しており、今後のビジネスの可能性を強く感じている次第である。


※ブレイン・マシン・インターフェース(BMI: Brain-Machine Interface)
※ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI: Brain-Computer Interface)


(調査研究者のコラムより、2011.2)





【躍動感のある年、2011年】

謹賀新年

新しい年は、新しい秩序が生み出される、躍動感のある年になりそうである。

2011年の「干支」は、「辛卯」(かのと・う)の年である。辛には陽なるエネルギーが敢然として上に出現する形の意がある。また卯には「茅」との意味があり陽気の衝動・生い茂るという意がある(東洋哲学者・安岡正篤「干支の活学」(プレジデント社刊)による)。

前回の辛卯に当たる1951年は、戦後の新しい秩序が構築されたといえるサンフランシスコ平和条約の締結があった。また経済的には、卯年は「卯は跳ねる」と言われる躍動感のある年であることが多い。このように考えてくると、2011年は秩序回復が進展、躍動感のある年になることが期待される。

さて、2010年は、科学の世界で重大ニュースが多かった。たとえば、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還、日本人2氏のノーベル化学賞受賞、必須6元素を必要としない未知の生命体発見などである。日本人のノーベル化学賞受賞のニュースは科学界に元気を与えてくれたが、たまたま、2011年は、国連総会(2008年末開催)によって決められた世界化学年(International Year of Chemistry:IYC2011)でもある。

http://www.chemistry2011.org/

これには、キュリー夫人がノーベル化学賞を受賞してから、100年目が2011年に当たる、ということが背景にもなっているようだ。国連総会は、エチオピアが国連に提案したこの決議について、UNESCOと国際純正および応用化学連合(IUPAC)をこの活動の中心団体に指名しており、両団体は以下のようにコメントしている。

「国際化学年は,私達の日常生活と未来の基盤となっている化学という学問の発展を,世界的規模で加速するでしょう。私達は,人々が化学に対する認識と理解を深め,若い人々の科学への興味を高め,化学の創造的な未来に向かう情熱を生み出すでしょう」(IUPAC総裁、陳政一教授)

「私は,自然科学の基本的分野の一つである化学を祝福するこの機会を歓迎します。人々が化学をよく知ることは,持続可能性への挑戦という観点からこの上なく重要なことです。代替エネルギー源の開発や増加し続ける世界人口に対する食料の維持に化学が貢献することは間違いありません。」 (UNESCO 理事長、松浦晃一郎氏)

ところで、2011年のIT関連における、世界の戦略的テクノロジーとしては、クラウド・コンピューティング、 モバイル・アプリケーションおよびメディア・タブレット 、ソーシャル・コミュニケーションおよびコラボレーション、ユビキタス・コンピューティング、アンビエント・コンピューティングなどが注目されている。

こうした大局をとらえながら、ビジネスにおいても成功へ向けて、着実に前進してゆきたいものである。

2011年が皆様にとり、どうぞ、実り多き年でありますように。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。


(調査研究者、2011.1)





【香り発生機器、香りサービスの現状と将来】

 フレグランス・ジャーナル社編集部様より原稿依頼ありました、論文執筆しました。2月号に掲載されます。取材にご協力いただいた企業様、誠にありがとうございました。ビジネスの可能性とともに、新たな香り文化の可能性を感じました。

Abstract

Awareness of fragrances has been rising annually with fragrance-based businesses recently being showcased more on media outlets such as television shows, magazines, and newspapers. With the rapid economic downturn following the bankruptcy of Lehman Brothers, the function of fragrance is drawing attention to corporate sales promotion, as well as drawing attention to medical welfare for the aging. In the ubiquitous society, or more advanced ambient society that will be the information society of the future, ICT (Information and Communication Technology) is expected to operate in every corner of life and business and allow humans to work more comfortably. In such a society, the benefits of fragrances will be focused upon and it is estimated that there will be research and development in a wide range of fields such as business, entertainment, education, medicine, health, and welfare. In the years to come, the high functionalization of fragrance generators will undergo evolution. In the fragrance generation service, the development of spatial design and the construction of creative space based on fragrances will expand. In addition, these efforts will lead to the creation of a new fragrance culture that will spread throughout the world.


(調査研究者、2010.12)





【 未来社会のビジョンとアンビエント】

最近では、異質の生命体見つける、とのNASAの発表といい、小惑星探査機「はやぶさ」の快挙といい、最先端科学の分野では、画期的な出来事、発明、発見が相次ぎ、非常に、躍動感あふれる、新しい時代の流れ、というものを感じるようになってきました。

かつて(12年前頃に)、ユビキタスという言葉がまだ知れ渡ってない頃に、ユビキタスについて調査をしたことがありましたが、当時から、未来のコンピュータネットワークについて、いろいろ考える機会がありました。時代の流れは速いもので、現在は、ユビキタスという言葉を知らない人の方が少ないかも知れませんが、最先端技術と社会環境は大きく変化し、今や、ユビキタスの次、ポスト・ユビキタスを考える時期になってきました。すでに、いくつかのコンセプトが出てきていますが、果たして、どのようなコンセプトがふさわしいでしょうか?

今回、ポスト・ユビキタス社会を意識して、「未来社会、アンビエントに関するアンケート調査」を実施しました。その結果、未来社会のイメージは、「グリーン&共生」が1位となり、ユビキタス社会の、その先の未来は、現時点では、「グリーン&共生」がもっともふさわしい、ということが分かりました。2位は、スマート・ユビキタス、3位はアンビエントでした。(今回の調査では、インターネットを利用して、700人の協力を得て12月2〜4日行われました。)

ユビキタス社会ではユーザーが意識して、コンピュータにアクセスしますが、次世代の情報社会では、コンピュータがユーザーを感知理解して、自律的に働きかけ、人や環境に優しいサービスが増えてくるものと予想されています。

今回取り上げましたアンビエント(ambient)とは、「周囲を取巻く、環境の」という意味で、人間の周囲を取り巻く環境(ambient)のあらゆる場所に、コンピュータやIT機器、センサー等が存在し、ユーザーはそれらを意識することなく、快適で安全、安心な生活を送れる、といった意味があります。

近年は大学、研究機関、産学連携などによる研究が進んできていることもあり、注目されるキーワードです。しかしながら、今回のアンケート調査結果にありますように、ユビキタスに続くイメージとして、グリーン&共生の人気が高かったことは、注目に価する、と思われます。

同時に行われました、未来社会におけるサービス価値のキーワードでは、安全、安心、快適などが上位に選ばれましたが、環境との調和、思いやり、共生といった言葉も上位となりました。

このことから考えられることは、これからの新しい時代のIT、コンピュータのサービス開発の最前線では、センサーネットワークなどのアンビエント(ambient)関係技術の開発も重要ですが、同時に、人や環境、地球に優しい、思いやりのある価値観が大切だと思われることです。

また、同調査では、さまざまなセンサー、情報解析技術を使った次世代型サービスの関心度についても、質問しています。ここでは、自動車・交通、健康管理・ヘルスケアサービス、高齢者・子供の見守り、スマートグリッド・スマートシティ、家庭内電化、植物工場、オフィス環境、ライフログサービスなどへの関心が高いことが分かりました。

身近なサービスでは、人生支援コンシェルジュ (センサーのライフログ情報をもとに、総合データベースに照らして、意思決定などをアドバイス)、レストラン、ショップの推奨(街を歩いていると、自分好みのレストラン、ショップを推奨してくれる)などの関心度についても質問しました。その結果、今後の製品サービス開発のヒントが見える結果となりました。

研究開発、市場開発に取り組む皆様のためにも、適切な未来ビジョンを描いてゆけますよう、努力を続けたいと考えています。


(調査研究者のコラムより、2010.12)





【 ヒトの電界を利用した、電界通信の可能性】

SF系の映画は制作段階で、NASAや、最先端の研究所等で、それなりの根拠に基づいてつくられている、と聞いたことがある。

かつて、映画 『E.T.』で、少年(エリオット)とE.T.が指と指を触れ合って、会話するシーンがあったが、こうしたコミュニケーションも、技術的には可能になりつつある。たとえば、初対面で、携帯のメールアドレスを聞き出す場合、メモするのはわずらわしいが、握手するだけでお互いに情報(メールアドレス)が交換できる、また、カップルの場合、ひとりが音楽(携帯音楽)を聴いていて、そこで手をつなぐことで、一緒に同じ音楽を聴ける、といったイメージである。また、SUICAなども、現在は改札機にタッチしているものの、将来的には、タッチは必要なく、改札を通るだけで済む、ということになりそうだ。

こうしたコミュニケーションが、人体通信、電界通信である。厳密に言えば、人体通信には、人体の表面に発生する電界を伝送路にしてデータをやりとりする電界通信(人体近傍通信ともいう)と、人体に微弱電流を流し、電流の変調を利用して情報を伝える電流方式がある。ただ、人体通信というと、人体に電流を流す=危険というイメージもあるため、電界通信、という言い方で通す場合がある。

電界とは、電荷の間に作用する引力、斥力が働く空間という意味であるが、人の体の表面には電界が広がっており、この電界を利用して情報のやりとりをする。また、人の体の近くで電界を発生させると(電界は電圧のあるところに発生する)、その電界は人体表面にまとわりつく。分りやすくいえば、このまとわりついた微弱電界を利用した通信技術ということになる。(健康面では害がないとされている)

従来よりオーラという言葉が使われているが、このオーラという言葉は感覚的に使われることが多いが、測定器を使って科学的に電界の強さを調べると、人の周りにある電界は、ほぼ同じ強さで体をすっぽり覆っていることが分る。また、この電界には、種々の周波数が入り混じったり、近くにある電子機器の影響を受けやすい性質がある。

人体通信は、1995年MITのZimmermanにより、ウェアラブルコンピューティングへの適用についての提案から始まり、その後、身につけているだけで鍵を開錠できるウェアラブルキー、店頭での販売管理を行うPOSシステムなどの実用化につながってきた。アプリケーションとしては、医療、ヘルスケア、エステ、自動車、ロボット、FAなどに広がっている。

電界通信、すなわち人体近傍電界通信技術の開発関連企業としては、アドソル日進、アルプス電気、アンプレット、NTT、カイザーテクノロジー、KDDI、パナソニック、ソニー、大日本印刷などがある。

アルプス電気の場合、数年前に技術発表したところ、株価が急騰したことがあり、世間の関心度の高さが伺える。同社では、電界通信(人体通信)用モジュールを市場投入する、としており、2011年春に同モジュールを搭載した製品が発売される見込み。同社では、家庭向け医療機器や個人認証などセキュリティ分野、さらに自動車の座席やステアリングへの搭載も想定する。2010年度内に角田工場(宮城県角田市)に生産ラインを整えて量産を開始、2012年度には売上高を10億円程度を見込んでいる。アプリケーション提案が市場開発の鍵となっている。アプリでは、タニタ製の歩数計と体組成計に電界通信モジュールを組み、歩数計を身に付けたユーザーが体組成計に乗るだけで両機器の間で測定データが連携できる、といった実証をしている。

ユビキタスコミュニケーション、ウェアラブルコンピューティングの世界をより発展させてゆく技術として注目される。


(調査研究者のコラムより、2010.10)





【 生物に学ぶ研究開発】


自然界の生物や植物に、学ぶことは多い。

最近では、バイオミメティックス(生体模倣技術)、バイオミミクリー(自然を模倣する)といった言葉が注目されるようになり、企業の研究開発にとっても、非常に重要といえる。

バイオミメティックスとは、自然界の生物や植物が持つ機能やデザイン、能力などからヒントを得て、新技術への応用を探る、というものである。例えば、独特なカーブを描く新幹線700系の先頭形状は、トンネル微気圧波対策効果を短いノーズで実現するために、エアロストリームという「カモノハシ」のような形状となっている。また、ハチの巣の六角形の形は、軽くて丈夫な「ハニカム構造」と呼ばれており、飛行機の機体や建築構造物などに広く応用されている。最近では、遺伝子や酵素の機能を模倣、参考にして、人工分子を構築したり、タンパク質によるICチップ開発、筋肉の力学的機能を応用したバイオアクチュエーターなどの研究開発が行われている。また、脳の神経系の構造、働きなどが解明されつつある中で、こうした脳研究を生かしたコンピュータシステムも考えられている。

いっぽう、生命科学分野全般では、複雑な生命現象を、システムとして理解する、システム生物学、あるいはシステムバイオロジーといった学問分野も台頭してきており、ロボットの研究開発などにも生かされてきている。

このように、研究開発のアプローチは、さまざまであるが、いずれにしても、自然界の生き物、植物、動物などに学ぶことは多い。

ここで、世界的な視野で、世界の関心テーマを考えてみると、今年(2010年)は、国連が定めた「国際生物多様性年」である。10月に、名古屋で生物多様性条約の第10回締約国会議(COP10)が開かれ、全世界から約8000人もの関係者が集まった。この開会に先立って、国際ユース会議が開かれ、世界の若者達の環境、生物に対する意識が非常に高い、と討議の映像を見て感じた次第である。まさに世界の関心は、「地球温暖化」から「生物多様性」へとシフトした、と言っても言い過ぎではないだろう。

企業活動としてみた場合には、「地球温暖化」対策と同様、「生物多様性」にいち早く、適切な対応をすることが求められる。

科学的に明らかにされている生物種が約175万種(未知のものも含めると約3,000万種)ともいわれる中、一年間で約4万種の生物が絶滅しているという現状をふまえ、生物多様性を保全することは非常に大切であると、理解できなくはない。

たとえば、最近、世界各国で発生したミツバチの大量失踪とそれによる農業被害は、私たちに、生命の連鎖が突然失われることの影響の大きさを感じさせた。ミツバチは、周知のように、花粉を運び、種々の果実を実らせる重要を働きを担っており、それがいなくなっては果物などの高騰につながることになる(原因については、明確にはわかっていないようだが、農薬、微生物、遺伝子操作作物、ストレス、電磁波などがあげられている)。

ハチなどの花粉を運ぶ昆虫は、果物、野菜、油料作物、コーヒー、カカオ、スパイスなどの 作物の成長に貢献することで、毎年1530億ユーロ(約23兆8000億円)相当の働きをしている。授粉を媒介する昆虫の働きは世界の農業生産額の9.5%を占めている。
(フランス国立農業研究所、National Institute for Agricultural Research、INRA)

大企業も行動計画の策定、という話ではあるが、(事業)コストの上昇につながる側面は否定できない。世界各国とも、生物多様性の大切さについては、理解しつつも、そのコスト負担という点では、(期待しつつも) 共通点を見出すのは難しいかもしれない。たとえば、討議の結果として、中国からの輸入が多い漢方薬では、利用者がそのコスト上昇を負担する可能性があるという。(※)

いっぽう、事業環境の変化に伴って、生物多様性や生態系サービスに関連した新たな市場やビジネスが生まれる可能性がある、というのも事実である。この機会に、適切な対策、対応を進めることが肝要である。


(調査研究者のコラムより、2010.10)


(※ 生態系の保全について話し合う生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)は、最後まで調整のための緊張が続いた。生物資源から開発された医薬品などの利益配分について、途上国側が求めていた植民地時代までさかのぼる案は取り下げられた。一方、途上国への資金支援が盛り込まれた。このCOP10は、「名古屋議定書」を採択、10月30日未明に閉幕した。先進国と途上国が激しく対立していたが、議長国の日本は、一定の責任を果たした形である。なお、若者たちが協議提案していた、生物の減少を食い止めるための2020年までの目標「愛知ターゲット」が採択された。)                                             




【 タブレット型電子書籍端末のビジネス戦略】

6月時点のiPad、300万台販売という状況は、アップルにとっても、内心予想外の展開であり、アップルは生産増強を余儀なくされ、ディスプレイ部品等の確保で韓国サムスン等に助けを求めているようだ。
iPadそのものは、非FLASH対応、非カメラ搭載、パソコンとの互換性の問題等、考えればいろいろあるものの、実際の売れ行きが好調であるため、当初想定された対市場戦略は、よい意味で、軌道修正しなければならない。

すなわち、iPad周辺ビジネスへの取組強化、Android等の新製品の投入、オープンプラットフォームを利用したハード(または、コンテンツ、サービス)の投入、アプリマーケットへの強化、提携企業推進、関連コミュニティの強化、ビジネス市場の開拓、周辺接続機器(プリンタ、ウェアラブルディスプレイ等)の対応等、早急な対策、対応が必要であろう。

iPad発表時、アップルのジョブズCEOは、「アマゾンは開拓者としての偉大な役割を果たした。我々はその先を行く」、と述べたが軽く聞き流してしまった人も多いと思われる。今にして思えば、重く受け止めて対応すべきということであろう。アップルは今や、マイクロソフトの総資産(時価総額)を上回っており、文字通り、豊富な資金力を持って突き進んでいる。

日本を代表する企業のひとつ、ソニーは、いわば、アマゾン(キンドル…)に対する雪辱、アップル(iPod…)に対する雪辱を一気にはらすべく準備しているようだが、コンテンツパートナー、通信プラットフォーム対応等、課題は少なくない。

グーグルの出方などに注意するものの、自社の持てるパワー、資源を再度見つめなおし、どのような市場戦略を構築すべきか、早急な対応が必要だろう。

この勢いは、株式、金融市場の喩えを借りれば、短期トレンドではなく、まさに長期トレンドの走りのようだ。かつて、弊社は電子ペーパーの調査報告書で予想外のヒット、各方面より高い評価をいただいたが、思い返すと、まさに、当時のテーマともつながっており、時代の大潮流のマーケットに相対していたといえる。現在の電子書籍の位置づけは、500年ほど前のグーテンベルクが活版印刷を発明したときの頃(羊皮紙への手書き写本から、活版印刷による大量生産販売の時代へ)の価値観の変化と同様、大きな変化とみられている。この点に留意した大胆な取組が求められる。

ただ、加えていうならば、取組といっても、アップル、アマゾン、ソニーなどと同じようなことをする、というより、アプローチを変えて、次に起こる潮流を見定めて準備することも必要だろう。たとえば、AR(拡張現実)との融合、ウェアラブルディスプレイの接続、対応コンテンツの整備、といった視点である。時代はユビキタス社会、アンビエント社会の方向に向かっており、個の活性化が組織の活性化につながる、そうした発想でビジネスアイデアを結晶化させてもらいたいと思う。


(AQUよりクライアント各位へのメールより、2010.6)





【 ユビキタスから、アンビエント構想へ】

▼ユビキタスから、アンビエント構想へ。人の創造活動を支援するアンビエント社会

 ユビキタス時代、ユビキタスネットワークといった、ユビキタスという言葉、すなわち、 「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」が、コンピュータでつなかる、というユビキタスコンピューティングは、現代の情報化社会を支える概念として知られてきている。2004年には政府がユビキタスを冠としたu-japan構想を発表、2010年に世界最先端のユビキタスネットワーク社会の実現、という構想を掲げた。

 しかし、進化し続けるテクノロジーの発展を背景に、官民ともに、次の情報社会「ユビキタス情報社会のさらに進化した段階」の構想を打ち出す時期に来たといえよう。それは、「アンビエント社会」である。"アンビエント"とは、周囲を取巻く、環境の、などを意味する英単語「ambient」から来ている。その意味から、「環境音楽」の意味に用いることもある。そして人間の周囲、環境のあらゆる場所にコンピュータやIT機器が存在し、意識せずにそれらの機器を使える社会を「アンビエント社会」と呼ぶ。

 この用語は、1998年、米Palo Alto VenturesのEli Zelkha と Brian Epsteinが「2010年〜2020年ごろの社会」を想定して作成したプレゼンテーション中で使われたのが最初といわれ、コンシューマエレクトロニクス、テレコミュニケーション、コンピューティング分野での将来像を「アンビエント社会」と呼び、アンビエント社会を支え、人の存在に敏感に感応するコンピュータを「アンビエントインテリジェンス」(Ambient Intelligence、AmI)と呼んだ。人間主体のユビキタス社会を、ますます広げるためにも、「アンビエント」にふさわしいセンサー、ICチップ、通信、コンテンツ、各種サポート機能等のICT  (Information and Communication Technology)関連の開発、構想づくりがのぞまれる。人間からコンピュータにアクセスするだけでなく、コンピュータからも人間をタイムリーにサポートできる、高度なアンビエント社会の実現が期待される。


(調査研究者のノートより、2010.5)





【 ある財界トップリーダーの話、「研究開発こそ!」】

 
 先日、霞ヶ関にて、ある財界トップリーダーの講演を聞く機会があった。この人は、上場企業の社長から、会長に就任、現在、金融に詳しい、経済界のトップリーダーの一人として活躍している。揺れ動く政治状況にあって、経済界の実状を、将来を担う若手政治家たちに伝えているという。

 現在の世界的な経済変動は、ギリシャ危機、ユーロの急落に起因しているといわれる。つきつめてゆくと、これは、国家の信用度合いを示す「ソブリンリスク」への懸念であり、巨額の財政赤字を抱えるポルトガル、イタリア、スペイン、そして、ギリシャの、いわゆる「PIGS」と呼ばれる南欧4カ国の国債の暴落(金利は急騰)が主因といわれている。

 サブプライムローン問題、リーマンショック以降の経済対策の副作用、調整という見方もあるが、正常化への道は容易ではない。ひるがえって、日本の国家経済を考えると、ギリシャ危機、ユーロ急落を対岸の火事ではなく、まさに他山の石として、とらえねばならない。現在の国家予算は、2010年度予算、一般会計総額は92兆2992億円(過去最大)。 歳入は税収が37兆3960億円(18.9%の大幅減)、新規国債の発行額は44兆3030億円(過去最大)。借金が税収より多い、という状況である。

 おりから、国際通貨基金(IMF)が、日本経済に関する年次報告書を発表。日本政府に対し、2011年度に景気回復に合わせて財政再建を開始し、消費税を徐々に引き上げる必要があると提言している。

 たまたま、上記の財界人は、年1%ずつアップ、という見方を紹介していた。また、講演後に言葉を交わすチャンスがあったが、日本の生きる道として、研究開発の大切さをあらためて語っていたのが印象的だった。



(調査研究者のコラムより、2010.5)






【 新年度に対する期待と心構え】

 多くの企業が4月1日より、新しい年度がスタートします。新入社員を迎え、心新たに研究開発、企画推進をしようとしていられることと思います。新しい年度は、気持ちの上でもリーマンショック以降の極度に変調をきたした市場環境の調整に決別して、本来のビジネス軌道、未来市場創造の道をより強く切り拓いてまいりたいものです。

さて、本日発表された日銀短観では、大企業製造業の景況感が4期連続で改善。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業でマイナス14となり、4四半期連続で改善したとのことです(昨年12月の前回調査はマイナス25)。10年度の売上高計画は、大企業全産業で前年度比2.8%増。製造業は3.9%増、非製造業は2.1%増となっています。

企業の収益計画では、10年度の大企業全産業の経常利益が前年度比21.1%の増加。昨年3月時点は09年度の計画が11.0%減だったので、大きくプラスに転じています。製造業は49.3%増、非製造業は7.1%増となっています。

最近のIT関連の話題としては、AppleのiPad、GoogleのAndroidなどがありますが、ここにきて、Googleは、3月22日、中国本土の検索サービスで、自己検閲を停止しました。香港版Googleで無検閲のサービス提供。結局のところ、中国向け検索サービスからの撤退といえるかと思います。同社にとっては、中国が大市場であることもあり、手痛いものがあるとみられます。

いっぽう、楽天は、中国のネット検索最大手、百度(バイドゥ)と提携しており、今年後半から中国でのネット通販事業を展開する見通しです。今後の中国市場をにらんで、IT関連でも企業間の競争が激化しつつあるといえます。通販市場に関していえば、中国における、2009年の取引総額は前年比約2倍の2600億元(約3兆5560億円)に上った見られます。12年には日本市場のネット通販市場の規模(09年度、約6兆6千億円)を超えて、約9兆7600億円規模に達すると予想されています。

ソフトバンクが出資する中国ネット企業、アリババなどがありますが、システム的には相手国の言語が自動翻訳できるようになっていて使いやすく、またオンライン決済なども進んでいます。

ところで、クライアント関係の話題としては、クラウド端末、スレート端末、SaaS、3D関連などがありますが、市場がグローバルになってゆく中で、中国、インドをはじめ、世界戦略がより重要となってゆくと考えられます。最近放送された「メディアの激震」(NHK)では、旧メディア(テレビ、新聞等)と新メディア(ネットメディア)の力関係があらためて認識された感じがしました。今後もこうしたネット、ITの新潮流をみすえて、ビジネスに積極的に生かしてゆくことが、求められているといえます。とくに若者を中心にTwitterと動画放送が人気化しており、ソーシャルメディア、ソーシャルテレビ、といったネットコミュニケーションの時代に入ってゆく可能性を感じています。これらは、3Dコンテンツ、3Dシステム機器などともつながる可能性を秘めています。着眼点を変えると、現状の研究開発に生かせる部分が多いのではないでしょうか?

心新たに、先端ビジネスの研究に関わってまいりたいと考えています。



(クライアントへのメールより、2010.4)






【 オリンピックで勝てる脳のメカニズムを考える】

 バンクーバー冬季オリンピックも残りわずかとなっている。雪山からの滑降から始まるオープニング映像は、やはり、感動的であった。また現地のインディアン部族の迎え入れる儀式、踊りを見ていて、アメリカ大陸の壮大な歴史を感じた次第である。

日本は当初予想したよりもメダルは少なかったようだが、今年はスポンサー支援を得るのが大変だった選手もいるようで、選手の皆さんの奮闘をたたえたい。

個人的にはフィギュアスケートに注目している。NHKで特集があったが、浅田真央選手とタラソワコーチとのやりとりに学ぶものがある。

さて、スポーツでもビジネスでも勝負に勝つためには、マインド、心を養成することが大切である。そして突き詰めてゆくと、脳のメカニズムを利用するテクニックが大切と感じている。

有用なケーススタディとして、2008年北京オリンピックの水泳、北島選手について考えてみたい。

北島選手のゴール到着後のガッツポーズは、なんとも勇ましく、とても感動的だった。今思い出してみても、あのシーンがよみがえってきて元気を与えてくれるような気がする。

実は、あの金メダル獲得に大切な力を発揮したと思われるのが、脳科学理論の応用である。

北島選手の北京オリンピック金メダルへ向かう道は、決してたやすいものではなかった。ゴールタイム(新記録)、ライバル、コンディション、それらがすべてうまく合わなければ達成できなかった。

当時、日本選手はゴール前が弱いのだ、と平井コーチが言ったことに対し、林教授(日本大学総合科学研究科)は、脳の機能は「ゴール間近だ」と思った瞬間に低下し、それにともなって、運動機能も低下してしまうのだという。(脳の自己報酬神経群といわれる部位)

いわゆるモチベーションが大事ということなのだが、教授は「目標よりも遠くにゴールを定めるとよい」と話したという。これに対して、コーチと北島選手は「プールの壁をゴールと考えずに、壁にタッチした後、振り向いて電光掲示板を見た瞬間をゴールと考える」という訓練をしたという。結果、アドバイスから一ヵ月後に北島選手は世界記録を塗り替えたという。

いっぽう、ライバル(ハンセン選手)についてどのように考えたかというと、「敵に勝とう」と思うと脳は、その瞬間、能力にブレーキがかかってしまうという。

同教授は、「ハンセンをライバルだと思っちゃいけない。自分を高めるためのツールだと思いなさい。そして、最後の10メートルをKゾーン(北島ゾーン)と名づけて、水と仲間になり、ぶっちぎりの、感動的な泳ぎを見せる舞台だと思いなさい」と言ったのだ。

実際的には、さまざまな応援もあり、また本人の考え方もあり、勝因はいくつもあると考えられるが、私は、このことが大きなウェイトを占めていると感じている。

実は、大分昔のことだが、私はある訓練を受けることになり、2000メートルを泳がねばならなくなってしまった。当時、25メートル程度は自信があったが、それ以上は至難の業だった。たまたま、ある友人のMさん(当時、治療の世界でよく知られていた先生)が、「水と戦うような気持ちではなく、水と友達になる気持ちになると泳げるよ」と、アドバイスしてくれた。その結果、力まずに、私は、2000メートルを泳げてしまったのだ。ほんの少しの発想転換が能力発揮につながるということを学んだのである。

かつて、陸上100メートルで世界一のカール・ルイスは、オリンピック本番に向けて緊張していたのだが、お母さんから、「楽しんでいらっしゃい」(確か、Feel at home! )といわれて、それがもとで、快走して金メダルをとれた、と述懐していた。

バンクーバー・オリンピックは、いよいよフィギュアスケート女子の競技がはじまる。私は浅田真央選手が「ワクワクしている」という言葉を新聞で読んで、これなら行けるかもしれない、と感じた。

一方、ライバルのキム・ヨナ選手はお父さんによれば、「韓国国内では、金メダルが取れて当然という」ことで、とてもプレッシャーがあるといっていた。

氷上の世界、見ているすべての応援の人たちと友達になる、という感覚が持てれば、そして、勝利の女神が微笑めば、かろやかに、金メダルがとれることだろう。。 http://www.joc.or.jp/vancouver/


【 世界への貢献につながる、BOPビジネスの可能性】

 企業の200年、300年大計、といったスケールの大きな話を松下幸之助、孫さんなどがよく言及していたが、日常の忙しさに流されていると、こうした大局的視点が見えなくなってしまいがちである。

日本経済、世界経済の今後のあるべき方向性を考えるとき、大胆な発想、大きな視点で現状をとらえることが大切である。

現在、世界の人口の72%に相当する約40億人は、年間所得3,000ドル以下の収入で生活している。これらはBOP(Base of the Economic
 Pyramid)層と位置づけられている。

BOPビジネスといわれるようになってきているが、「BOPな人々」を巻き込んで、BOP層のニーズを満たす製品・サービスを開発・提供し、BOP層の生活向上に寄与する、という意味がある。BOP層の市場規模は、5兆ドルに上るとされている。

BOPのさきがけはバングラディッシュのグラミン銀行と考えられるが、チッタゴン大学のムハマド・ユヌスさんはグラミン銀行と共にノーベル平和賞を受賞している。

一般的に、貧困層を助けるために、慈善事業という考え方があるが、BOPビジネスは、あくまでも企業の本業として収益の確保を目的として行われるものである。大手企業の中にはボランティア休暇、ボランティア制度などにより、社会への貢献を目指している企業は少なくないが、BOP層の直面する社会課題を解決しつつ、本業の利益にもなりうるビジネス、という考え方は非常に分りやすい !

すでに、バングラディシュなどの発展途上国に人材を送り込む研修がNPOによって展開されており、NTTコミュニケーションズ、リコー、三菱商事などが社員を派遣しているという。

BOPビジネスの例としては、ヤクルト(健康)、公文(教育)、ユニリーバ(インドで小分けした洗剤などを販売)、ダノン(バングラデシュで低価格ヨーグルトを販売)、住友化学(タンザニアでマラリア予防用の蚊帳を生産、販売)などがある。

筆者はかつてヒマラヤの小国、ネパールへ行ったことがあるが、当時、日本ネパール協会には、KJ法で知られる川喜田二郎氏をはじめ、伊藤忠商事の関係者、ヒマラヤ登山関係の人(橋本元首相も)がいたが、ビジネス的にもつながりがあったように思う。当時のネパールで感じたことは、若者の日本語熱が盛んで、日本へ行ってみたい、日本からいろいろなことを学びたい、といった姿勢があり、インドという大市場も近くにあるため、ヒマラヤ観光だけでなく、ビジネス的にも可能性があると感じていた。

現在は、BRICsといわれる 経済発展が著しいブラジル (Brazil)、ロシア (Russia)、インド (India)、中国 (China) 等の経済発展に目が行きやすいが、グローバルに見ると、これらの国だけでなく、いわゆる発展途上国でのビジネスの芽は確かにあり、これからの日本企業の戦略としては、こうしたグローバルな視点で、長期的な戦略を練ってゆくことが大切になってくると考えられる。


【 ブランド端末の可能性!】

 今年はiPadを含めて、スレート端末(タブレット型)が大きく動くとみられる。アップル以外では、Android搭載のネット端末を製品化する動きが活発化しつつある。

昨年発刊した新プラットフォームの資料は、コンピュータ系の大手某社なども最近購入しており、今後の戦略展開が注目される。

この会社のプロバイダーサービス関連企業では、液晶パネルを使用。7インチ型を想定している。

電子書籍をねらっているというよりも、プロバイダーサービスのユーザー専用端末として、各種の利用を考えている。

アプリストアも準備しており、端末、サービス、ソフトを総合的にとらえてビジネスしてゆこうとしている(ライフログアプリを含む)。 このあたりは、ソニーの電子書籍端末ビジネスを意識しているとみられる。

このほか、NTTもAndroid搭載端末を計画しているが、Wi−Fiネットワークを活用、待ちうけ情報配信サービス+端末の形で、各種情報サービス(写真、動画等も含む)があるのが特徴で、スマートなデザインであり、女性にも好感されている。

1990年代半ばはMacの台頭が著しかったが、その後、windowsがでて、Macのシェアは奪われてきた。それと同じように、現在、iPhone、iPadの人気が高いが、市場のパイが大きくなる中で、Android搭載端末が大きく伸びてゆく形なのだろう、と思われる。

スレート端末(タブレット型)は、企業のブランド端末として、広がろうとしている。このあたり、ビジネスユース利用も多様に広がってゆく可能性がある。。

筆者はかつて、読売新聞本社、朝日新聞本社、雑誌社などのデジタル化で取材に行ったことがあり、デジタル化を実感しているが、現在、新聞、雑誌は大きな構造転換を迫られており、欧米の動向も合わせて考えると、ネットワーク、システム化、端末等、さまざまなビジネスチャンスがあるといえる。


(調査研究者のコラムより、2010.2)





【 2010年代のスタートの年として、大事な一年!】

 近年、中国の力が増してきており、かつては、開発途上国という位置づけにあった中国が、今や日本を追い抜くほどの経済力を持ってきた。2009年は、弊社にもいきなり、北京より国際電話があり、提携したい、という連絡が来たことがある。中国はもはや、大事な世界経済の一翼を担っている、という実感を新たにしている。

2010年の十干(じっかん)は「庚(かのえ、こう)」で、干支(かんし。十干と十二支を組み合わせたもの)は「庚寅(かのえとら・こういん)」ということだそうである。「庚」は「更(あらたまる)」につながり、成長に行き詰った草木が新たな形に変化しようとする様を表している、という。

ここ数年、世界的な経済大変動に揺れたが、新しい年は、激変が静まり、さまざまな分野で、ビジネスの新たな成長を感じさせる年になって欲しいものである。2010年の世界的なイベントとしては、2月のバンクーバー冬季オリンピック(http://www.joc.or.jp/vancouver/)、5月からの上海国際博覧会(http://jp.expo2010.cn/)、6月のサッカーワールドカップ南アフリカ大会(http://members.jcom.home.ne.jp/wcup/)などがある。

なお、2010年という年は、数字的にも、2010年代(2010年から2019年までの10年間)のスタートの年として、大事な一年となる。2010年代という、新たな時の流れのスタートに当たり、皆様のご健勝を祈念申し上げる次第です。


失敗すればするほど、成功に近づいている! (失敗と成功の関係性)

 先端ビジネスの世界で注目されているものとして、アップルのiPhoneがある。iPodで培ったノウハウも生かされており、iPhoneはハード的な特長だけでなく、ソフトを含めたビジネスモデルとして成功しているといえる。

しかしながら、アップル社の中長期のスパンで考えたときには、失敗の烙印を押されたものもある。携帯端末のニュートンである。最近では、ソニーの電子書籍端末「Reader」が欧米で好調であり、コンテンツ戦略的にも、うまく行っており、ビジネスモデルとして優等生と、社内で評価されている。しかしながら、ソニーの場合も、かつては、国内では松下電器産業(新社名、パナソニック)とともに、電子書籍端末「LIBRIe」で苦戦を強いられ、事業撤退という、つらい経験がある。

私はかつて、某大手家電メーカーの仕事で、携帯情報端末の調査を行ったことがある。その調査というのは、それまでの成功、失敗の事例を詳細に分析することで、未来戦略を練る、という意味があった。先述のアップルのニュートンは、失敗事例の中に入れた記憶がある。ニュートンはまさに当時としては先端商品であったのだが、高価すぎたこと、また大きすぎたこと、手書き認識率の低さなどにより、売れなかった。まさに、失敗の烙印を押されてしまっていたのである。しかしながら、アップル社にとっても、ソニーの「Reader」と同様、かつての失敗が成功に変容したという意味では(ゆるやかな関連性を含む)、ビジネスの失敗は固定的に考えてはならない、といえるだろう。ビジネスの成功を考えると、かつての失敗が生きたからこそ、成功につながる、と言えるのではないだろうか? 

個人で言えば、失敗がたくさんあっても、だからといって、人生に失敗したわけではない。むしろ、失敗がたくさんあるからこそ、成功確率が高まる、といえる。エジソン(「失敗すればするほど、我々は成功に近づいている。」という)にしても、リンカーン(「何より、出来ると思え、続いて、手段が付いてくる。」という)にしても、「失敗」が多かったという。要は、考えることを辞めず、どのような環境におかれようとも、たとえ、周囲から失敗の烙印を押されようとも、自分だけは、自己に内在する力を信じ、未来へ前進してゆくことが大切なのだと思う。

1990年代の日本経済のバブル崩壊以降、日本経済はさまざまな試練を受け、企業を取り巻くビジネス環境はめまぐるしく変化し、安定成長を達成している企業はごくわずかで、むしろ、激変するビジネス環境に翻弄されている企業の方が多いかもしれない。とりわけ、ここ2、3年間に限っても、サブプライムローン、リーマンショック、原油高騰、円高など、多くのサプライズがあった。 まさに激動の数年間だった。



(調査研究者のノートより、2010.1)





【ふたご座流星群と統計学、自然界の現象のリズム】

 12月14日、たまたま夜道を歩いていると、非常に大きな流れ星を見ました。私は高校時代、流星の天体同時観測を組織的にするなど、友人とともに、ローカル県の高校天文連盟を創設したり活躍したことがありましたが、その頃見た最光級のものに匹敵する、きわめて最光級(青白い光)のものでした。ひさしぶりの感動でした。調べてみると、三大流星群のひとつに数えられている、ふたご座流星群、今年の活動のピークは12月14日と予想されている。・・・ということでしたので、私はそのピークの日に偶然(必然?)、流星を見た、ということになります。この意味でも、統計学や、自然界の現象のリズムには、感嘆するものがありますね。
http://www.astroarts.co.jp/alacarte/2009/200912/1214/index-j.shtml (ふたご座流星群について)


祝賀式典に参加して

 さて、もうひとつ話題です。私は、11月12日、皇居に行っていました。昔、大手町や赤坂の皇居に面したビルで仕事をしていたこともあり、皇居はなつかしい場所です。この日は、天皇陛下御即位二十年をお祝いする国民祭典で、第二部祝賀式典は皇居前広場に2万7000名のイス席が用意され、私はこの中にいました。当初、式典内容そのものは、あまり期待していなかったのですが、各界で活躍している人たちが一同に集まっていることが分り、その同じ時空間にいるという充実感のようなものを感じました。日本の人口に比べると、0.025%くらいですが、世界的にも活躍している人たちが(壇上に)集まっている、、、、その近くにいる、という親近感を感じました。政界、経済界、芸能界、スポーツ界、野球界、学界などより著名人の挨拶がありました。http://www.houshuku.org/houshuku/saiten.html 若い人たちに人気のEXILEも、奉祝曲を歌うなど、雰囲気がよかったです。私が印象に残ったのは、荒川静香(トリノ五輪金メダリスト)、高橋尚子(シドニー五輪金メダリスト)などの挨拶でした。また、大型ビジョンの複数設置や、システマティックな運営システム、警察官の情報ネットワークなどにも感心しました。とても寒かったですが、皇居から見るオフィス街の夜景がきれいでした。天皇制や皇室については、いろいろな考え方がありますが、いろいろな考え方があってよいと思います。何はともあれ、オリンピックなどでは日本を応援してしまいます。また、国内が秩序あってこそ、経済活動、ビジネスができるのだ、ということも感じました。



(調査研究者のノートより、2009.12)




【AR、拡張現実関連、年商300億を目指すベンチャー】

 しばらく前のことですが、AR関連、年商300億を目指すベンチャー企業社長と都内にて長時間話しておりました。ビジネス全般、いろいろ接点が多く、ひさしぶりに夢を語る未来を目指す青年に会えてうれしく思いました。実現する可能性は、仮に1%としても、、その心意気に関心しました! とてつもない夢にチャレンジする姿勢は、それだけでも感動するものがあります。

 私は長年、調査研究の仕事をしておりますが、ユビキタスをはじめ、過去には、バーチャルリアリティ、複合現実感といったテーマを手がけてきました。あるとき横浜でキヤノンの会場と思いましたが、特殊メガネをかけて、他の人たちとゲームを楽しんだりしたことがあり、また数年前、ある研究所で、開発中の空間に浮かぶ妖精を見せてもらいました。その妖精は、私の語りかけに応じて身振り手振り、音声で答えてくれるもので、私はこのとき、こうした技術が花開けば、今後のユビキタスの世界は、希望により、家の中、街々に、ディズニーランドのような楽しさが、いたるところにできておもしろいだろうな、と感じました。


ケータイアプリビジネスへの参入チャンスか?

iPhoneアプリの世界は、今、たいへん盛り上がっています。私のいるビルの同じフロアーのAさんは、最先端の測定機器関係で、地道な商売をしていますが、iPhoneの面白さを昨年の懇親会から話しておりました。先日もお会いすると、アップストアーにのせるべく、ソフトの開発に注力しているとのことでした。

さて、今や、iPhoneアプリだけでなく、Androidなどでも、個人、ベンチャーのチャンスが出てきているようです。

従来、実質的に数百万から数千万円の参入費用(ドコモの「iモード」の場合)がかかり、参入するには、比較的大きな投資が必要でした。しかし、マッキントッシュパソコンを新しく買って、手続き費用などを足し合わせても、十数万円から参入することが可能です。

「iPhone」および同じOSで動く「iPod Touch」を含む市場は、世界70カ国以上・4000万人ものユーザーがひしめいているわけで、これにAndroidなどが加わったわけです。

すなわち、携帯電話OS「アンドロイド」向けの 「アンドロイドマーケット」(グーグル)、携帯電話OS「ウィンドウズモバイル」向けの「ウィンドウズマーケットプレイス・フォー・モバイル」(マイクロソフト)、さらに、携帯電話向けの 「オビ・ストア」(ノキア)というわけです。WIN-WINの発想で、ビジネスチャンスを多くの企業、個人に与える、というビジネスモデル、また、こうしたプラットフォームが注目されてきています。

これらは、ARビジネスにおいても、大きな可能性を秘めている分野であり、今後の動向を注目したいところです。





(調査研究者のノートより、2009.7)







【未来への視点と調査研究者の気づき】  - 2009年初頭に感じたこと -


◆ビルゲイツが選んだ次の人生

私にとって、ビルゲイツは他人ではない。何年か前、私は新幹線に乗ったとき、そこに西和彦氏がいて、氏の講演「未来予測」を聞いたことがあっただけに、ビルゲイツの日本の友人としての氏の感性を通して、縁を感じていたからである。また、かつて名古屋の会社がつくったハローキティのロボットをビルゲイツが二台買い、一台は研究用に、一台は娘さんのために買っていったということをその会社の幹部から聞いていたからである。ビルゲイツは昨年、マイクロソフトの経営の第一線から離れ、奥さんらとともに、世界の子供達を救う慈善団体「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」の運営に注力するようになった。コンピュータの研究、経営で天才的手腕を発揮した彼が次に選んだ人生は、慈善事業ということだが、そのグローバルな発想、地球的価値観はいろいろ学ぶ点が多い。昨年11月、自家用ジェットで日本にやってきたという彼の講演を都内で聞いたが、子供を愛し、世界に貢献するグローバルな行動力に深い感銘を受けた。なお、ビルゲイツとともに、世界資産家のトップを走る、投資家のウォーレン・バフェットは374億ドルの資産のうち、85%にあたる310億ドルを同財団に寄付している。

◆ドッグイヤーからマウスイヤーへ、そして・・・

ドッグイヤーからマウスイヤーへ。田坂広志氏は米国シンクタンク・バテル記念研究所客員研究員を経て、シンクタンクの日本総研を立ち上げるなど、複雑系に関する著書、論述で知られる。たまたま、12月に渋谷で氏の講演を聞く機会があり、私は、運良く会場の中央で、聞かせていただいたが、氏はガイアシンフォニーの監督など、広く先端知識人との交流があり、その経験、見識は参考となる点が多い。とくに私の記憶に残ったことは、マウスイヤーである。マウスイヤーとは、インターネット登場以降の時代感覚のスピードが、さらに速まっており、ドッグの代わりに、マウスをフレーズに当てたものだ。犬は人間の7倍の速度で成長するといわれ、ネズミは人間の18倍の速度で成長するといわれている。ドッグイヤーという言葉に比べ、マウスイヤーという言葉はあまり聞かれないが、この言葉を聴いて、時代の変化スピードに乗り遅れず、かつまた、時間を超越した感覚を磨いてゆきたい、と感じたしだいである。


◆地方や地元の活性化からビジネスを広げてゆくという発想

正月早々、あるクライアントの関係で北陸に行くこととなり、東名阪とは違った趣のある地方都市に行ってきた。北陸には何度か来ていたものの、あらためて、のどかな雰囲気を感じた。仕事で金沢に移り住んだ友人によれば、金沢は戦争の直接的被害がなく、古くからの街並みが残されていて、また住んでいる人も、のどかな暖かい雰囲気があるという。かつて会社員から改めて北陸先端大学院大学 に転じた友人とは、一緒に仕事を多くこなしてきたが、彼は日本海でのロシア船重油事故などでボランティア活動などをした経験もあり、地元に密着したNPOの研究などをしていた。彼からは日本海のカニをいただいたことがある。地方重視が叫ばれる今日、地方や地元の活性化からビジネスを広げてゆくという発想も大切である。


◆抽象論ではない成功哲学に学ぶ

カリスマ体育教師・原田隆史氏のことは、成功哲学研究のグループで、以前より知っていた。というのは、かつてパナソニックや、ソニーなどに直接システムを売り込んでいた人からスポーツ選手のイメトレなどのノウハウについて伺ったことがあり、そのときに、原田氏の講演テープを聞いたことがあったからである(→ 感動)。氏は荒れていた松虫中学に乗り込み、7年間で13回の中学陸上日本一を実現し、その指導理論の一部を多くのトップアスリートも活用しているという。氏の成功哲学の話は、抽象論ではない。実績があるから、なぜか、納得させられてしまうのだ。。。(^^;)  ビジネス経営にも参考になりそうだ。最近日経BP社から、DVD書籍が刊行された。ビジネス最前線で活躍している方は、ぜひ、一読をお薦めしたい。。。http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/180300.html


◆香りの意外な活用法、それは ! なんと、イチロー選手も?

弊社でかつて刊行した香り通信の資料はおかげさまで、好評を博しているが、五感のうち、今後大きな可能性を秘めたビジネスとも考えられる、香りビジネスに関連して、面白いことを聞いた。有名なサッカー選手の中には、ペナルティキックのときなど、実は、試合前に染み込ませておいた香り(グレープフルーツ?)を、汗を拭いているように見せかけて、カイデイル。・・・つまり、香りを、うまく生かしているとのことである。ナイスプレー、ナイスシュート、観客の歓声をイメージしながら試合に臨んでいるというのだ。香りは瞬間のイメージをつくり上げるのに役立っているとのことである。(話によれば、イチロー選手も香りを活用しているとのことである。企業秘密? ) かつて、「時をかける少女」という映画があったが、ラベンダーの匂いを香ぐことで、タイムスリップするという話だが、嗅覚のある部分は脳の古い部分であり、論理ではなく、野性的本能につながっている。男性に比べ女性が香りに敏感といわれるが、香り、嗅覚の研究は人間の脳の仕組みの奥深さだけでなく、今後、商品企画においても、より深く関係してゆくと考えられる。(先の資料は、某大学院生の論文にも引用された) また、健康づくりの複合施設では、入場者も増えており、女性客に人気のある、香り、美容、健康食等のメニューが充実していることを先日、体感してきた。このような健康関連ビジネスも注目されるところである。


◆世界経済の動向と、今後のスタンス

一昨年半ば頃より、にわかに話題となってきたサブプライム問題は、今や、「100年に一度の金融危機」という言葉がでるほど、世界経済に深刻な問題を投げかけている。2008年7月に、1バーレル、140ドル台にあった原油が12月には、30ドル台になるなど、めまぐるしいものがあった。株価、為替、商品相場といった経済指標が急激な変動を見せており、トヨタ、ホンダ、ソニーなどの国際優良企業といわれた大企業が大幅な黒字から大幅な赤字になってしまったところも少なくない。有名企業においても人員削減、内定取り消しといったニュースが流れているが、世界的景気の動向とリンクしている部分があり、今後の経営を考えるには、よりグローバルな動きの予兆を感じ取る感性が大切だろう。その意味で、米国オバマ新大統領の経済政策には注意しておきたい。新大統領は、「Yes, we can.」の格式高いスピーチが話題となったりしている。現在のところ、環境ビジネス、代替エネルギー関連等が大きく動いてゆきそうである。具体的には、「次世代のクリーンエネルギー対応技術の開発を進めて、500万人の雇用を創出する」、「2020年までに温暖化ガス排出量を1990年レベルに抑制し、2050年までに80%削減するキャップ・アンド・トレード制度を導入する」などの方針が打ち出されている。ただ確かに、今後のオバマ新大統領の政策は気になるものの、いっぽう、研究開発、商品企画、事業推進等の立場としては、自社の取り巻く市場環境を分析、すぐれた技術をベースに、着実なビジネス成長が遂げられるよう、まい進してゆきたいところである。


※弊社(AQUARIUS)は今後も先端テクノロジー、先端ビジネスに注目、市場の動向、ビジネスモデル、需要動向等の調査研究を通じて、クライアント企業、皆様のご期待に応えてまいる所存です。本年もよろしくお願い申し上げます。   ディレクター 子安 克昌






(2009.1 Marketing Team )



【ロボットメディアビジネスの展望と戦略】

●ロボットへの関心は、昨年の愛知万博を契機として大きく盛り上がったものの、実際のビジネスでは想定したほど実績をあげていないケースが多い。大局的にみれば、ロボットの未来は明るく、人間とロボットの融合は多方面で加速してゆくものと考えられ、通信との融合としてのネットワークロボット、また、脳科学との融合、ブレイン・マシン・インターフェース、ブレイン・ネットワーク・インタフェースなどの高度な発展により、ロボットは生活、ビジネスの場で、なくてはならない存在となってゆくであろう。
●家庭用ロボットについていえば、自律型に重きを置いてさまざまな機能をつけようとした結果、ワカマルのように比較的高額なものが登場している。それに対し、モーション(立体的動き)のあるロボットを一種のメディアとして考え、できることはサーバー側で処理させるという発想で見た場合、さまざまなコンテンツが、比較的容易に、インターネットを通じて配信できるとともに、広告も可能となり、結果としてハードの価格も抑えられ、一気に普及してゆくことが考えられる。将来的には、ロボットが声優やタレントの声を話すことにもなってゆく、と見る向きもある。
●ところで、中高生などに人気のある吹奏楽で考えてみると、最近では、演奏しながら行進し、さまざまな形を表現しながら演奏する、マーチングバンドの人気も高い。このように従来の表現法に加えて、よりアクティブな動きのスタイルが、さまざまな分野で広がっており、ロボットの世界でも例外ではなく、インターネット対応、共通のロボット端末とみることで、コンテンツの幅が広がり、マーケットは一気に拡大してゆく可能性があるといえる。
●当調査は、モーション(立体的動き)のあるロボットを、ラジオ、テレビ、PC、ケータイに次ぐ、第5のメディアとしてとらえることで、ロボットコンテンツビジネスの可能性をさぐり、またSNSのように、ロボットコミュニティの創造を通じて、各種のビジネスチャンスが可能とみられる、ロボット市場の新潮流をとらえる。

http://www.aqu.com/robot-media-business/








【香り通信、ゆらぎ通信の可能性とビジネス戦略】

● かつて郵政省(総務省)が、人と人とのより自然で現実感のあるコミュニケーションとして、五感情報通信技術を取り上げたことがある。これは、これまで視覚や聴覚のみに限定されてきた人間とコンピュータとのインタフェースチャネルを、視覚、聴覚に加えて嗅覚、触覚、味覚に広げてゆこうとしたものである。現在、コンテンツビジネスといえば、視覚、聴覚が主体であるが、今後、嗅覚などの他感覚も連携してくる可能性が高い。
● 生理学的に考えた場合、人間の遺伝子の数は、21,787個(2004年10月21日、国際研究チームが発表)とされているが、視覚についての遺伝子が3個、味覚についての遺伝子が5個であるのに対し、嗅覚については、500から700個(全体の約3%程度)といわれている。一概に関連性には言及できないものの、何か、人間を相手にしたビジネス、マーケティングにおいて、今後、嗅覚(香り)は感性重視のトレンドにある中で、きわめて重要なファクターとなってくることが予想される。
● ちなみに、2001年8月に、ベンチャー企業のピクセンが発売した携帯電話のストラップ、着信時に香りがでるという「携帯くんくん」は、一年で30万個、2億円を売り上げた。発する香りは一種類だけという極めてシンプルなものだが、このようなヒットの背景にあるものとして、やはり香りの持つ潜在的ビジネスパワーは大きなものがあるといえる。香りには、心理作用、生体リズムの調節作用等があり、くつろぎの香り、眠りを誘う香り、さわやかな目覚めを誘う香り、アクティブな香り、、といった種類があるが、野球のイチロー選手も体験して「おもしろい」と感想を述べているなど、話題性には事欠かない。
● 現在、帝国ホテルの客室や松竹の映画、あるいはe-Learning、オフィス、店舗等で採用が進みつつあるが、今後の市場展望を考えるとき、ユビキタス時代における臨場感通信等を含めたユニバーサル・コミュニケーション市場は、2020年の時点で最大50兆円が見込まれている。ブロードバンド時代におけるコンテンツビジネスとして五感重視の傾向が増していく中、プラスアルファの香り通信はキラーコンテンツとして浮上していく可能性が高い。

http://www.aqu.com/kaori-com-business/









【ユニバーサル・コミュニケーション、2020年の時点で最大50兆円】


「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」簡単にネットワークにつながる「ユビキタス」経済の促進が、日本の経済成長力向上の起爆剤となる、と考えられている。そのユビキタス市場において、今後の10年、20年というスパンでとらえたとき、注目されるのが、「ユニバーサル・コミュニケーション」である。

「ユニバーサル・コミュニケーション」ということばは、世界中の人々がコミュニケーションするときにおいて、言語、文化、価値観、知識、経験、身体的能力の違いなどを超越して、バリアのないコミュニケーションの新形態を目指すというところからきている。

ユビキタスネット社会は、ICT( Information and CommunicationsTechnology:情報通信技術)の
利活用により「元気・安心・感動・便利」な社会の実現を謳った「e-Japan 戦略2」(平成15 年7 月に策定)で設定された目標像であったが、いわば、日本のIT戦略は、2001年からのブロードバンドを基盤とした「e-Japan」という構想で進んできたが、2006年以降はユビキタスネットを基盤とした「u-Japan」のステージに入っているということになる。(総務省による)

 ちなみに、u-Japanとは、Ubiquitous(ユビキタス)、Universal(ユニバーサル)、User-Oriented(ユーザー)、Unique(ユニーク)といった言葉から連想されるICT(情報通信技術)社会の理念を指している。u-Japanは、社会生活やビジネスにおいて、ユビキタスネットによってあらゆる人や物の結びつき、心と心の触れ合いを実現するという方向を目指している。このような中で、ユニバーサル・コミュニケーション技術は知的創発プログラムという位置づけとなっており、中核技術は以下のようなものである。

◆【超臨場感コミュニケーション】
3D映像などによる超臨場感により、バーチャルとリアルの境目のない立体テレビコミュニケーションをつくる

◆【スーパーコミュニケーション】
言語、知識、文化の「壁」を感じさせない超越コミュニケーションをつくる。

◆【高度コンテンツ創造流通】
映像、楽曲、辞書などあらゆる知の情報を誰もが簡単に、高度に活用できる、
高度なコンテンツの検索・編集・流通技術。

◆【ユビキタス&ユニバーサルタウン】
センサーネットワークやロボットなどにより、高齢者・障害者をはじめ人に優しく
地球に優しいユビキタスネット環境をつくる。

。・°°・☆・°°・。☆。・°°・☆・°°・。☆。・°°・☆・°°・。

◆ユニバーサル・コミュニケーションのロードマップ

2010年までを創成期、2015年までを発展期とし、ここ10年での実現を目指している。製品やサービスの市場規模としては、2020年の時点で最大50兆円の規模が見込めると予測されている。ユニバーサル・コミュニケーションの市場は、新たなコンテンツの価値の創発、新産業の創生、異分野の融合などといった、未来型ビジネスが期待されている。たとえば、2006年以降、ハリウッドでは立体映画の本格化が予想されている。このように、立体映像コンテンツをはじめとして、ユニバーサル・コミュニケーションという考え方での市場発展が、大いに期待されるところだ。








【脳で情報機器を動かす、脳とITの融合時代へ】


ブレイン・マシン・インタフェース・・・脳波により、機械などを操作する技術は、1980年代に脳とコンピュータをつなぐ研究が始まり、90年以降、各国で研究が進んできた(筆者も調査研究をした経験がある)。とくに90年、米国では、脳研究に重点的に取り組む、「脳の10年」がスタートし、国を挙げた取り組みにより、多くの研究成果が得られている。一部軍事的な利用はあるが、医療福祉面でのニーズは強く、国内でも、体を思うように動かせない人がコンピュータを使えるようになる研究が進んでいる。MRI(磁気共鳴画像装置)などの脳診断装置、脳波研究の高度化普及が背景にあるとも考えられる。

理化学研究所では、体を動かせない患者に脳波計をつけてもらい、コンピュータを操作する実験を行っている。考えるだけで、テレビや室内灯をつけたり消したりできるという。またNTTドコモやキヤノンなどでも携帯電話等の情報機器への応用研究をおこなっている。ソニーは、脳波のほか、血圧などの生体データを使って、快、不快を判断しながら、気分に応じた音楽を自動的に流せる研究を進めている。ホンダでは、ASIMOと組み合わせて、人に優しい介護ロボットなどの実用化を目指している。

脳波を調べることで、消費者心理をとらえる、ニューロ・マーケティングの手法も注目されている。
たとえば、新車のデザイン開発や、映画の予告編製作等に活用する動きである。

一方、人体の一部を機械に置き換え、脳と機械が直接つながった、システム・サイボーグといった
研究も進められている。ここでは、脳神経工学の研究が急速に発展している背景もある。

サイボーグといえば、SFの世界を連想しやすいが、すでに医療の世界では、身近なところでは、
人工歯(入れ歯)、白内障の手術で利用される人工レンズ、人工心臓、義手、義足、人工骨、、、、
と意外と数が多いのに驚かされる。脳や触覚センサーなどの情報が義手や義足などと密接に
つながることで、患者をよりサポートしやすくなる。

また、最近では動物のほか、人体用チップの埋め込みといった事象も多くなってきた。
コメ粒大のチップを人体に埋め込み、患者の病歴照会や立ち入り制限区域へのアクセス制御といったことを米国オハイオ州などが進めている。ここでは、米ベリチップ社の人体用マイクロチップ「ベリチップ」が使われている。すでに、軍事利用やエンタテイメントの世界での利用はあるが、実用面での広がりは注目される。こうしたシステム・サイボーグの世界は、将来的に、既存のウェアラブル機器とも密接につながってくるものと考えられる。

脳を生かす研究会   http://www.cns.atr.jp/nou-ikasu/proposer.html






(2006.6 Marketing Team )



【セレンディピティとノーベル賞】

●ミスや偶然から、新発見をするという意味で、セレンディピティ(serendipity)という言葉がある。これは、2000年のノーベル化学賞受賞者の白川博士の会見に出てきた。材料を実験計画の何百倍も入れるというミスから新材料の開発につながったのである。2001年の野依氏、2002年の田中氏というように、日本人のノーベル化学賞の受賞者が続出しているが、その偉大な業績の中に、「セレンディピティ」が関係するといわれている。

●このように科学技術で知られるようになった、このセレンディピティではあるが、研究開発、ビジネス戦略を進めていく上においても、関連してくると思われる。本屋さんで読みたい本を探そうとして、つい近くの本にひきつけられ購入してしまった、本屋に足を運んで、よかった、というようなことも多々ある。世界の調査会社から発行されている報告書の検索を行うことで、当初考えたレポートよりも、内容の深い調査報告書にめぐりあうこともありうるだろう。。









【バイオ・IT・ナノ融合ビジネスの可能性

バイオテクノロジーは、IT、ナノテクノロジーとの融合により、新たな未来を創造してゆくものと考えられる。生命現象に関する研究の推進、新規事業の創出など、社会全体への貢献は著しいものがあるといえよう。

DNAやタンパク質などを対象とするバイオテクノロジーは、半導体、無機高分子などを対象とするナノテクノロジーと融合してゆく可能性がある。国家戦略の視点からも、重要なテーマである。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、経済産業省をはじめ、研究プロジェクトが大きく推進されようとしている。

▼新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
http://www.nedo.go.jp/informations/other/141128_3/141128_3.html

▼新機能素子研究開発協会(FED)
バイオ・ナノテクノロジー融合への期待と課題(PDF 355KB)
http://www.fed.or.jp/salon/bio/matome01.pdf

▼新機能素子研究開発協会(FED)
バイオ・ナノテクノロジー融合がもたらす社会と人への恩恵(PDF 412KB)
http://www.fed.or.jp/salon/bio/matome03.pdf






(2002.12 Marketing Team /AQUARIUS)

調査研究者のコラム特別編集編

調査コンサルティングの依頼

TOPに戻る