ロボットメディアビジネスの展望と戦略

●ロボットへの関心は、昨年の愛知万博を契機として大きく盛り上がったものの、実際のビジネスでは想定したほど実績をあげていないケースが多い。大局的にみれば、ロボットの未来は明るく、人間とロボットの融合は多方面で加速してゆくものと考えられ、通信との融合としてのネットワークロボット、また、脳科学との融合、ブレイン・マシン・インターフェース、ブレイン・ネットワーク・インタフェースなどの高度な発展により、ロボットは生活、ビジネスの場で、なくてはならない存在となってゆくであろう。
●家庭用ロボットについていえば、自律型に重きを置いてさまざまな機能をつけようとした結果、ワカマルのように比較的高額なものが登場している。それに対し、モーション(立体的動き)のあるロボットを一種のメディアとして考え、できることはサーバー側で処理させるという発想で見た場合、さまざまなコンテンツが、比較的容易に、インターネットを通じて配信できるとともに、広告も可能となり、結果としてハードの価格も抑えられ、一気に普及してゆくことが考えられる。将来的には、ロボットが声優やタレントの声を話すことにもなってゆく、と見る向きもある。
●ところで、中高生などに人気のある吹奏楽で考えてみると、最近では、演奏しながら行進し、さまざまな形を表現しながら演奏する、マーチングバンドの人気も高い。このように従来の表現法に加えて、よりアクティブな動きのスタイルが、さまざまな分野で広がっており、ロボットの世界でも例外ではなく、インターネット対応、共通のロボット端末とみることで、コンテンツの幅が広がり、マーケットは一気に拡大してゆく可能性があるといえる。
●当調査は、モーション(立体的動き)のあるロボットを、ラジオ、テレビ、PC、ケータイに次ぐ、第5のメディアとしてとらえることで、ロボットコンテンツビジネスの可能性をさぐり、またSNSのように、ロボットコミュニティの創造を通じて、各種のビジネスチャンスが可能とみられる、ロボット市場の新潮流をとらえる。

http://www.aqu.com/robot-media-business/








             香り通信、ゆらぎ通信の可能性とビジネス戦略

● かつて郵政省(総務省)が、人と人とのより自然で現実感のあるコミュニケーションとして、五感情報通信技術を取り上げたことがある。これは、これまで視覚や聴覚のみに限定されてきた人間とコンピュータとのインタフェースチャネルを、視覚、聴覚に加えて嗅覚、触覚、味覚に広げてゆこうとしたものである。現在、コンテンツビジネスといえば、視覚、聴覚が主体であるが、今後、嗅覚などの他感覚も連携してくる可能性が高い。
● 生理学的に考えた場合、人間の遺伝子の数は、21,787個(2004年10月21日、国際研究チームが発表)とされているが、視覚についての遺伝子が3個、味覚についての遺伝子が5個であるのに対し、嗅覚については、500から700個(全体の約3%程度)といわれている。一概に関連性には言及できないものの、何か、人間を相手にしたビジネス、マーケティングにおいて、今後、嗅覚(香り)は感性重視のトレンドにある中で、きわめて重要なファクターとなってくることが予想される。
● ちなみに、2001年8月に、ベンチャー企業のピクセンが発売した携帯電話のストラップ、着信時に香りがでるという「携帯くんくん」は、一年で30万個、2億円を売り上げた。発する香りは一種類だけという極めてシンプルなものだが、このようなヒットの背景にあるものとして、やはり香りの持つ潜在的ビジネスパワーは大きなものがあるといえる。香りには、心理作用、生体リズムの調節作用等があり、くつろぎの香り、眠りを誘う香り、さわやかな目覚めを誘う香り、アクティブな香り、、といった種類があるが、野球のイチロー選手も体験して「おもしろい」と感想を述べているなど、話題性には事欠かない。
● 現在、帝国ホテルの客室や松竹の映画、あるいはe-Learning、オフィス、店舗等で採用が進みつつあるが、今後の市場展望を考えるとき、ユビキタス時代における臨場感通信等を含めたユニバーサル・コミュニケーション市場は、2020年の時点で最大50兆円が見込まれている。ブロードバンド時代におけるコンテンツビジネスとして五感重視の傾向が増していく中、プラスアルファの香り通信はキラーコンテンツとして浮上していく可能性が高い。

http://www.aqu.com/kaori-com-business/








     【ユニバーサル・コミュニケーション、2020年の時点で最大50兆円】



「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」簡単にネットワークにつながる「ユビキタス」経済の促進が、日本の経済成長力向上の起爆剤となる、と考えられている。そのユビキタス市場において、今後の10年、20年というスパンでとらえたとき、注目されるのが、「ユニバーサル・コミュニケーション」である。

「ユニバーサル・コミュニケーション」ということばは、世界中の人々がコミュニケーションするときにおいて、言語、文化、価値観、知識、経験、身体的能力の違いなどを超越して、バリアのないコミュニケーションの新形態を目指すというところからきている。

ユビキタスネット社会は、ICT( Information and CommunicationsTechnology:情報通信技術)の
利活用により「元気・安心・感動・便利」な社会の実現を謳った「e-Japan 戦略2」(平成15 年7 月に策定)で設定された目標像であったが、いわば、日本のIT戦略は、2001年からのブロードバンドを基盤とした「e-Japan」という構想で進んできたが、2006年以降はユビキタスネットを基盤とした「u-Japan」のステージに入っているということになる。(総務省による)

 ちなみに、u-Japanとは、Ubiquitous(ユビキタス)、Universal(ユニバーサル)、User-Oriented(ユーザー)、Unique(ユニーク)といった言葉から連想されるICT(情報通信技術)社会の理念を指している。u-Japanは、社会生活やビジネスにおいて、ユビキタスネットによってあらゆる人や物の結びつき、心と心の触れ合いを実現するという方向を目指している。このような中で、ユニバーサル・コミュニケーション技術は知的創発プログラムという位置づけとなっており、中核技術は以下のようなものである。

◆【超臨場感コミュニケーション】
3D映像などによる超臨場感により、バーチャルとリアルの境目のない立体テレビコミュニケーションをつくる

◆【スーパーコミュニケーション】
言語、知識、文化の「壁」を感じさせない超越コミュニケーションをつくる。

◆【高度コンテンツ創造流通】
映像、楽曲、辞書などあらゆる知の情報を誰もが簡単に、高度に活用できる、
高度なコンテンツの検索・編集・流通技術。

◆【ユビキタス&ユニバーサルタウン】
センサーネットワークやロボットなどにより、高齢者・障害者をはじめ人に優しく
地球に優しいユビキタスネット環境をつくる。

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◆ユニバーサル・コミュニケーションのロードマップ

2010年までを創成期、2015年までを発展期とし、ここ10年での実現を目指している。製品やサービスの市場規模としては、2020年の時点で最大50兆円の規模が見込めると予測されている。ユニバーサル・コミュニケーションの市場は、新たなコンテンツの価値の創発、新産業の創生、異分野の融合などといった、未来型ビジネスが期待されている。たとえば、2006年以降、ハリウッドでは立体映画の本格化が予想されている。このように、立体映像コンテンツをはじめとして、ユニバーサル・コミュニケーションという考え方での市場発展が、大いに期待されるところだ。







          【脳で情報機器を動かす、脳とITの融合時代へ】


ブレイン・マシン・インタフェース・・・脳波により、機械などを操作する技術は、1980年代に脳とコンピュータをつなぐ研究が始まり、90年以降、各国で研究が進んできた(筆者も調査研究をした経験がある)。とくに90年、米国では、脳研究に重点的に取り組む、「脳の10年」がスタートし、国を挙げた取り組みにより、多くの研究成果が得られている。一部軍事的な利用はあるが、医療福祉面でのニーズは強く、国内でも、体を思うように動かせない人がコンピュータを使えるようになる研究が進んでいる。MRI(磁気共鳴画像装置)などの脳診断装置、脳波研究の高度化普及が背景にあるとも考えられる。

理化学研究所では、体を動かせない患者に脳波計をつけてもらい、コンピュータを操作する実験を行っている。考えるだけで、テレビや室内灯をつけたり消したりできるという。またNTTドコモやキヤノンなどでも携帯電話等の情報機器への応用研究をおこなっている。ソニーは、脳波のほか、血圧などの生体データを使って、快、不快を判断しながら、気分に応じた音楽を自動的に流せる研究を進めている。ホンダでは、ASIMOと組み合わせて、人に優しい介護ロボットなどの実用化を目指している。

脳波を調べることで、消費者心理をとらえる、ニューロ・マーケティングの手法も注目されている。
たとえば、新車のデザイン開発や、映画の予告編製作等に活用する動きである。

一方、人体の一部を機械に置き換え、脳と機械が直接つながった、システム・サイボーグといった
研究も進められている。ここでは、脳神経工学の研究が急速に発展している背景もある。

サイボーグといえば、SFの世界を連想しやすいが、すでに医療の世界では、身近なところでは、
人工歯(入れ歯)、白内障の手術で利用される人工レンズ、人工心臓、義手、義足、人工骨、、、、
と意外と数が多いのに驚かされる。脳や触覚センサーなどの情報が義手や義足などと密接に
つながることで、患者をよりサポートしやすくなる。

また、最近では動物のほか、人体用チップの埋め込みといった事象も多くなってきた。
コメ粒大のチップを人体に埋め込み、患者の病歴照会や立ち入り制限区域へのアクセス制御といったことを米国オハイオ州などが進めている。ここでは、米ベリチップ社の人体用マイクロチップ「ベリチップ」が使われている。すでに、軍事利用やエンタテイメントの世界での利用はあるが、実用面での広がりは注目される。こうしたシステム・サイボーグの世界は、将来的に、既存のウェアラブル機器とも密接につながってくるものと考えられる。

脳を生かす研究会   http://www.cns.atr.jp/nou-ikasu/proposer.html



(2006.6 Marketing Team )



                  【セレンディピティとノーベル賞】

●ミスや偶然から、新発見をするという意味で、セレンディピティ(serendipity)という言葉がある。これは、2000年のノーベル化学賞受賞者の白川博士の会見に出てきた。材料を実験計画の何百倍も入れるというミスから新材料の開発につながったのである。2001年の野依氏、2002年の田中氏というように、日本人のノーベル化学賞の受賞者が続出しているが、その偉大な業績の中に、「セレンディピティ」が関係するといわれている。

●このように科学技術で知られるようになった、このセレンディピティではあるが、研究開発、ビジネス戦略を進めていく上においても、関連してくると思われる。本屋さんで読みたい本を探そうとして、つい近くの本にひきつけられ購入してしまった、本屋に足を運んで、よかった、というようなことも多々ある。世界の調査会社から発行されている報告書の検索を行うことで、当初考えたレポートよりも、内容の深い調査報告書にめぐりあうこともありうるだろう。。






               【バイオ・IT・ナノ融合ビジネスの可能性

バイオテクノロジーは、IT、ナノテクノロジーとの融合により、新たな未来を創造してゆくものと考えられる。生命現象に関する研究の推進、新規事業の創出など、社会全体への貢献は著しいものがあるといえよう。

DNAやタンパク質などを対象とするバイオテクノロジーは、半導体、無機高分子などを対象とするナノテクノロジーと融合してゆく可能性がある。国家戦略の視点からも、重要なテーマである。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、経済産業省をはじめ、研究プロジェクトが大きく推進されようとしている。

▼新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
http://www.nedo.go.jp/informations/other/141128_3/141128_3.html

▼新機能素子研究開発協会(FED)
バイオ・ナノテクノロジー融合への期待と課題(PDF 355KB)
http://www.fed.or.jp/salon/bio/matome01.pdf

▼新機能素子研究開発協会(FED)
バイオ・ナノテクノロジー融合がもたらす社会と人への恩恵(PDF 412KB)
http://www.fed.or.jp/salon/bio/matome03.pdf


(2002.12 Marketing Team /AQUARIUS)

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