はじめに
Ø AmazonのEchoなどで知られる、AIスピーカー(スマートスピーカー)が日本でもいよいよ、本格発売される動きとなってきている。海外でヒットしているAIスピーカー(スマートスピーカー)は日本市場ではどのような需要があるのか? また、「ヒアラブル」という言葉が注目されはじめている。これは、Hear(聞く)とWearable(身に着ける)を掛け合わせた用語だが、人工知能などとの組み合わせにより音楽を聴く以外にもナビゲーションや同時通訳など、用途が大きく拡がろうとしている。そのヒアラブル端末(ヒアラブルデバイス、スマートイヤホン)に注目し、ヒアラブルはどのような用途に可能性が広がろうとしているのか?今回、2,200人の協力を得て需要調査を実施した。
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大きな調査項目としては、関心のある音声アシスタントの機器、関心のある、AIスピーカー(スマートスピーカー)の用途、ヒアラブル(イヤホン型コンピュータ)の利用シーン、関心のある、ヒアラブル(イヤホン型コンピュータ)の機能、さらに、AIスピーカー(スマートスピーカー)への期待、ヒアラブル(イヤホン型コンピュータ)への期待などとなっている。
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今回注目すべきは、AIスピーカーとヒアラブル端末についての欲求度をとらえたところ、「AIスピーカー欲しい」27.4%、「ヒアラブル端末欲しい」26.2%となった。4人に1人強の人が、欲しいということであり、商品の内容を理解できれば、一般に予想以上に普及してゆく可能性がある。
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海外でヒットしているAIスピーカー(スマートスピーカー)は、日本市場ではどのような使われ方があるのか、実際の利用者サイドの意見、感想について、貴重なコメントがたくさん得られた。
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声を発してコミュニケーションする、ということは、パソコンや機械などの操作で指を使っていることがあたりまえの生活になってきている人にとっては、それがごく当然なことであるが、AIスピーカー(スマートスピーカー)では、音声によるコミュニケーションであり、音声を使うことで、新鮮な感覚を呼び起こそうとしている、と回答者のコメントから感じられた。またコメントを読んでいると、人とのコミュニケーションでなくとも、スピーカーとの交流を通して、日常生活に活気が出てくる、という意外な癒し感(効用)のようなものがあることが分かった。
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ヒアラブル(イヤホン型コンピュータ)に対する期待として、どのようなことができるとよいかを尋ねたところ、ヒアラブル端末として、同時通訳やナビゲーション、秘書機能などさまざまな利用への期待が寄せられた。
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とりわけ、「同時通訳できるのは魅力的です。」(25才、女性、会社員)、「同時通訳は嬉しい機能。」(59才、男性、会社員)というような、同時通訳、翻訳機能に期待する人が多かった。国際化が進展する中、翻訳機能、同時通訳の需要は大きなものがあると再認識させられた。また「聴覚障害者の方が補聴器としても使えるとよい。」(67才、女性、専業主婦)、「補聴器の機能があれば良いと思います。」(58才、男性、会社員)というように、聴覚障害、難聴の人にも使えるとよい、とする意見も多くあった。
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ヒアラブルの機能として、ナビゲーション、ノイズキャンセリング、音声フォーカスなどに期待する声も聞かれたが、コメントを読むことで、確かに多くの人々の力強いささえになりうる製品群であると感じられた。近い将来、日常的に装着するものにいずれ、大きな変化がやってくる。スマートフォンの次の潮流はヒアラブル端末(ヒアラブルデバイス、スマートイヤホン)の可能性が高い。
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当調査報告書はアンケート調査結果を中心にまとめられているが、日本市場の需要調査としては時期的にもタイムリーである。また別途、AIスピーカー、ヒアラブル端末の市場予測調査も行っているので併せてお読みいただければと思う。当調査報告書が皆様のビジネス開発、研究開発、製品サービス開発に少しでも寄与できれば幸いである。
AQU先端テクノロジー総研
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